第24話 帰郷

 それから1ヵ月と数週間が過ぎ、待ちに待った盆休みがやって来た。

 家族のレベルアップは順調に進み、何とか全員レベル10まで漕ぎ着けた。

 俺も、当初の目標であったレベル20を超え、21に突入した。

 レベル20を超えた際には、また制限が幾つか解放された。


 現在のステータスは


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 名前:佐々木徳士(佐々木徳治郎)

 年齢:6歳(32歳)

 種別:人族  Lv:21

 職業:---(勇者※)

 状態:正常

 HP:293/293(1261※)

 MP:418/418(2085※)

 筋力:253(1527※)

 俊敏:251(1319※)

 頭脳:399(2368※)

 運 :289(1008※)

 武術:佐々木流斬刀術 アンドレフ体術

 魔法:火 中級(Ex級※)

    水 中級(Ex級※)

    風 中級(Ex級※)

    土 中級(Ex級※)

    光 中級(Ex級※)

    闇 中級(Ex級※)

    聖 中級(Ex級※)

    空 中級(Ex級※)

 ギフト:言語理解

     アイテムボックス

     経験値倍増

     魔力回復倍増

     体力回復倍増

     物理攻撃軽減※

     魔法攻撃軽減※

     ワールドライブラリ※

 スキル:鑑定

     隠密

     気配感知

     魔力感知

     魔力操作

     身体強化

     並列処理

     思考加速

     錬金

     鍛冶

     テイム※

     マッピング

 称号:神風の勇者

    異世界の神に愛されし者

    偉業を達成した者

 加護:カサンドラス神の加護

    大神の加護

    英霊の加護

 備考: ※ 制限中

    ( )隠匿

    

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 となり、特に『並列処理』と『思考加速』が解放された事は戦闘面で大きい。

 単体の戦力としては、経験者だけに一日の長があるので、Bランク冒険者のAランク寄りと言った所まで来ているとは思う。


 更に、鑑定も出来る様になったので、事前に敵のレベルや弱点等を調べ、戦いの道筋を組み立て易くなった。

 これは、俺自身と言うよりは、家族のレベリングに大いに役立っている。

 また『錬金』と『鍛冶』も解放されたので、今後は月に工房でも作って色々とやってみたい物だ。



 ちなみに、家族の現在のステータスは下記の通りとなった。


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 名前:佐々木誠二

 年齢:32歳

 種別:人族  Lv:10

 職業:---

 状態:正常

 HP:145/145

 MP:129/129

 筋力:155

 俊敏:149

 頭脳:175

 運 :148

 武術:佐々木流斬刀術

 魔法:火 初級

    風 初級

    闇 初級

 ギフト:ステータス

 スキル:魔力感知

     魔力操作

     身体強化

 称号:

 加護:

    

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 名前:佐々木奈津子

 年齢:29歳

 種別:人族  Lv:10

 職業:---

 状態:正常

 HP:133/133

 MP:131/131

 筋力:130

 俊敏:119

 頭脳:169

 運 :158

 武術:合気道 佐々木流槍術

 魔法:水 中級

    風 初級

    土 初級

    光 初級

    聖 初級

 ギフト:ステータス

 スキル:魔力感知

     魔力視

     魔力操作

     身体強化

 称号:古の血をひく者

 加護:

    

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 名前:佐々木清士

 年齢:8歳

 種別:人族  Lv:10

 職業:---

 状態:正常

 HP:131/131

 MP:120/120

 筋力:119

 俊敏:108

 頭脳:135

 運 :108

 武術:

 魔法:火 初級

    水 初級

    風 初級

 ギフト:ステータス

 スキル:魔力感知

     魔力操作

     身体強化

 称号:

 加護:

    

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 とまあ、Dランク昇格間近のEランク冒険者と言った感じまで上がった。

 だが、武術と言う意味に限定すると、父上以外は、若干弱い。

 魔法込みであれば、この3人は相当な戦力である。

 パーティの戦力としては、既にそこらのDランクパーティと同格だろう。



 ◇◇◇◇



 そして、また故郷へと戻って来た。

 1年ぶりの帰郷に、心が躍る。

「清・・・・・・曾お爺様、ご無沙汰しております。御壮健であらせられます様で何よりです。」

「おお!きよ、徳士、大きくなったな!

 待っておったぞ! ささ、みんなも早く上がりなさい。」


「こんにちは、曾爺ちゃん、久しぶり!」

「爺ちゃん、返ったぞー!」

「ご無沙汰しております。義曾爺様。今年もお世話になります。」

 と家族も大きな玄関から入って、真っ先に仏間へと行き、手を合わせる。



「清・・・・・・曾お爺様、まずは1本お手合わせ行きましょうか!」

 と俺が道場へと誘うと、


「おお!そうじゃな!」

 と清兄ぃも乗って来る。


「あ、じゃあ、僕も是非! お父さんも一緒に行こうよ!」

 とヤル気を漲らせる兄上が、父上を誘うと、


「えー? 帰った直ぐにか!?」

 と苦笑いしながらも道場へと付いてきたのだった。


 清兄ぃと、佐々木流を継ぐ父上の弟の子……つまり、俺の従兄弟に当たる、兄上と同じ歳の小学校3年生の聡(さとし)君も一緒である。

 一礼して道場に入り、俺は久々の道場の醸し出す空気に、心がピンと一筋通った様な感覚を感じ、懐かしさで心が震える。


 勝手知ったる何とやら……で、俺は木刀を取りに行き、軽く準備運動がてらの素振りと型を熟す。


 10分ぐらい、各自10分程、身体を馴染ませてから、いよいよ始まりである。

「どうするかの? まずは、ワシと誠二で行っとくかの。」

 と清兄ぃが言うと、父上が初めて見る様な苦い顔をしながら、


「えー!? いきなり、俺からかよ……」

 と嘆いている。


 俺は、そっと父上の横に進み、耳元で、

「父上、こっそり身体強化使って、驚かせましょうよ!」

 と囁くと、それまで苦い顔をしていたのが、嘘の様に悪い笑みを浮かべる父上。


「しゃーねーな……いっちょ、景気付けに玉砕してくるか!」

 と言葉と表情が不一致のまま、木刀を手に、開始位置へ。


 一礼して、両者木刀を構える。


 あ、父上の魔力に変化が……

 どうやら、初っ端から身体強化で行くつもりの様だ。

 父上の口角が悪い笑みを浮かべて吊り上がっている。

 そんな父上の様子に、清兄ぃが、

「ん? 何じゃ? どうした事じゃ……お主、その気の高まりは!?」

 と言った瞬間、父上が一歩飛んだ!


「スッカーーン」

 と木刀同士の小気味良い音が鳴り響き、続けて、カンカンカンと攻防の打撃音が続く。


「はっはっは!この時を待っていたぜ! 積年の雪辱、今こそ晴らさん!!」

 と猛攻を繰り出す父上。

 前後左右に、素早く動き、あらゆる方向から、斬り込むが、ギリギリで清兄ぃが防いでいる。

 自分の動きを最小限にして回避したり、受け流したりと、流石は半世紀以上、佐々木流の看板を守って来ただけの事はある。


「すげぇな、清兄ぃ……」

 思わず呟く俺。


 父上もなかなか頑張っているのだが、無駄な動きが多く、変に力が入りすぎていて、結果、筋力と素早さだけなら父上に軍配が上がるものの、技と熟練度と経験で均衡を保っている感じである。

 しかし、全開での攻防が5分、10分と続くに従って、徐々に精神的持久力の差が出始める。

「がはは、どうした? 集中力が落ちてきておるぞ? 確かに力と早さは素晴らしいのじゃが、ふふふ、地力と言うか心が着いて来ておらんようじゃな。」

 と守り一辺倒だった、清兄ぃから徐々に攻撃の回数が増えて来る。


「な、何を!! まだまだ!!」

 としゃかりきに木刀で攻撃を受け止めているが、ついに20分近い勝負にケリがついた。

 何と、清兄ぃの勝ちであった。


「凄いですよ! 清兄ぃ!! あ、曾お爺様!!」

 と思わず叫んでしまう俺。


「がはっはっはっは!」

 と当の清兄ぃは、腕を腰にやって、高笑いしている。

 父上は、肩で息をしながら、座り込み、床を拳で叩いて悔しがっていたのだった。


 いやぁ~、驚いたな。嘘でも身体強化使ってて、負けるとは……父上……ダメじゃん。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る