「どれだけ怖いか?」と言ったようなうわべだけの怪談ではない。
月浦作品に共通する話の奥深さ、濃密さを感じます。
怪談の誤魔化しによくありがちな「わからない・・・」が無く、きちんと明確な答えがあり、さらに自分が助かって一家が崩壊、自分が生贄になれば家族は栄える。「読者ならどうする?」と言う問いかけにも似た結末。
本当の怖さを熟知している作者だからこそ描ける世界だと思いました。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
過分なお誉めの言葉を頂いて恐縮です。
怪談の根底にある欲望や悲哀、憎悪など生々しい人間の業を、拙くてもきちんと書きたいと思っているので、そう仰って頂けて本当に嬉しく思います。
これからも「本当に怖い」作品を書けるよう精進します。
全体を通して、フィルムノイズのある映画を見ているような陰鬱さ、濃密さがあり、世界に引き込まれました。
主人公の背景が、現在の帰省した場面の中で思い出や夢として随所に置かれるため、説明的に感じず自然に頭に入ってきます。
最後は怒涛の展開で、つられて急いで読んでしまいましたが、父の叫んだ「やめろ!」という言葉には相反する2つの意味があったのかもしれないと、後日談での筆者の問いかけを読み思いました。
作者からの返信
感想ありがとうございます!
映像が頭に浮かぶ文章を心掛けているので、映画のようだと言って頂けてとても嬉しいです。
最後はホラー映画でよくある展開ですが、あれを書きたくてこの話を思い付いたようなものです笑