第6話 神代冬人はクラスの美少女には興味無し?

「うーん、まだ返事が来ない。イラストを気に入ってもらえなかったのだろうか?」


 昨日、フレンドリー・ファイヤにダイレクトメッセージを送った俺は、朝からそればかり考え思わず溜息が出てしまう。


「おいおい、秋月に彼氏がいないと分かった、こんな目出たい時に何溜息ついてんだよ」


 相変わらず能天気な大介が声を掛けてくる。


「そんな事より俺の方は失恋しそうだよ」


 失恋どころか恋をした事もないが、なんとなく失恋したような気持ちになり溜息を吐いた。


「秋月に彼氏がいない事を、そんな事呼ばわりするお前は凄いと思うぞ……。冬人は秋月に興味ないのか?」


「まあ、興味が無い訳じゃないけど割とどうでもいいかな? どうせ付き合えるわけでもないし」


 実際のところ、秋月とクラスメイトという事以外は特に接点は無いし、秋月の一挙一動を気にしてるのも面倒だ。


「まあ、お前には咲間がいるしな。で、失恋って咲間の事か?」


 大介は何かと俺と春陽の仲を疑ってくる。


「なんでそうなるんだよ? 春陽は中学から一緒だけど、そんなんじゃないし、ただの友達だぞ。……まあ、失恋ってのは冗談だよ、冗談。例えの話」


「本当か? 自分だけ彼女作って抜け駆けとかないだろうな〜?」


 大介は疑いの眼差しを向けてくる。鬱陶しい事この上ない。


「お前達、なんか楽しそうだな」


 そんな会話に割って入ってきたのは、俺の数少ない友人でメガネ男子の月島誠士つきしませいじだ。名前の通り誠実な男で学級委員であり、成績も優秀である。


「誠士、聞いてくれよ! 冬人の奴、咲間と仲良くして一人だけ抜け駆けで彼女作る気だぞ!」


「なんだ、神代は咲間と付き合い始めたのか?」


 おいおい……春陽との関係は否定したのに、大介の奴、ありもしない事を吹聴ふいちょうしだしたし、誠士も大介の言ってる事を信用してるぞ。


「いやいやいやいや、誠士まで何で咲間と俺が付き合ってるとか言ってんだよ。大介の妄言に決まってるだろ」


 そう、大介は女子の事になると、見境が無くなり妄言を吐いたりする。女子絡みの話は信用してはならないのだ。


「む、そう言われるとそうだな。女子絡みの柳楽やぎらの話は半分に聞かないとダメだったな」


 誠士も分かってくれたようで何よりだ。このまま変な噂が流れたら春陽にも迷惑が掛かるからな。


「ま、でも何か悩みが有りそうだな。俺で良ければ話くらい聞くぞ」


 大介は頼りにはならないが、本気で心配してくれてるようだ。


「大した事じゃないし、話してもどうしようもない事だからな」


「そうか。いつでも相談に乗るからな」


 ニカッと笑い俺の肩をポンと叩く大介。


 おお、なんか大介が一瞬カッコ良く見えたような気がする。


「大介、今はちょっとだけお前がカッコ良く見えたよ」


 そんな俺の言葉に大介は気を良くしたようだ。


「今なら秋月に告白しても成功する気がしてきたぞぉぉ!」


 大介は調子に乗った。


「いや、それはない」


 俺は冷静に否定する。


「えっ?」


 否定された事を素で驚く大介。マジで成功すると思ってたのかね。


「誠士、今なら秋月に告白して成功しそうだって、大介が言ってるけど」


 誠士は、大介と秋月を交互に見比べ言い切った。


「うん、無理だな」


 誠士にも否定されるとは可哀想な奴だな。


「おい、お前ら! 頑張れよとか、上手くいくよとか、友達として応援するとか無いのかよ! 冷たいよな⁉︎ 冬人には咲間がいるし、誠士はモテるし、お前らは良いよなあ」


「ほう、やっぱり神代は咲間と親密な関係にあり、そして俺はモテるのか?」


「だ・か・ら、春陽とは何でも無いってさっきも言ったじゃん。大介、変な噂流すなよ。あと誠士は女子から人気あるぞ?」


 俺は何度も誠士に春陽との事を否定することになり、誠士は自分がモテる事を自覚していないようだ。ちなみに誠士は誠実で真面目であり、一部のメガネ男子好きの女子から結構人気がある。


「神代と咲間はお似合いだと思うがな」


「誠士、何度も言うが春陽とは何でもないからな。勘違いするんじゃないぞ」


 秋月本人による彼氏が居ない発言によって、浮かれムードだった昼休みは、そんな他愛も無い会話で過ぎていった。


━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

近況ノートにキャラクター紹介(ビジュアルイラスト付き)を投稿しました。

ビジュアルに興味がある方はご覧下さい。

https://kakuyomu.jp/users/t_yamamoto777/news/1177354054893583795


また、近況ノートにイラストに関するアンケートを行っていますので、御協力をお願いします。

https://kakuyomu.jp/users/t_yamamoto777/news/1177354054893603871

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます