第122話 屋台を開いたよ
リョークからの情報で、やっぱり嫌味を散々言われ、その後王様に呼ばれて個室で親しげに話して、結果私を庇う形でソードが席を立ち、去ろうとしたら騎士団と衝突、リョークが救出して戻ってきたそうだ。
「いい子だなー、よくやったぞ?」
「「わーい、褒められたー」」
喜ぶリョーク。超可愛い。鼻血出そう。
皆も、リョークを可愛いと思うようで、ひっきりなしに話し掛けられている。以前の硬い喋り方じゃなくなって、ラブリーな話し方になったので、よりみんなにウケが良い。
私は会計を主に(屋台は無料ではない、当たり前)、あと、足りなくなったら作ったりとか手が足りないところを手伝ったりとかしてる。よく買いに行くお店の人達が主に手伝いをやってくれてる。
給金を出さねば、と思ったら、食べて飲みながらやるからそれが給金代わりだそうだ。
そういうの、好き!
アレだね、高校の文化祭とか、地方の小さい商店街のお祭りっぽいよね。
……と、今日の主賓が絡んで来た。
「よー! インドラ、飲んでるかーーー⁉」
……何? 酔っ払ってるの?
いつになく陽気じゃないか。
「飲むわけないだろう。二十歳前の飲酒は、発育に影響する」
って真顔で言ったら、真顔になったソードが、私の胸を見て、顔を見て
「無理じゃね?」
って‼
「お前ぇええ⁈ 何が無理なのか言ってみろぉおお‼」
胸倉掴んで揺さぶった。
「ギブ、ギブギブ、吐いちゃう」
止めた。
「あー、軽い味わいだけど、だからガンガン呑めちゃう」
「まぁ、今日くらいは飲みすぎてもいいけどな。薬も飲んでおけよ?」
「わかってるって」
フラフラしてるけど、大丈夫かな?
途中でリョークが歌い出したので、伴奏した。すっごい盛り上がったよ。
「ソードも歌え!」
と言ったら、酔っ払ったソードも歌い出し、さらに大盛り上がり。
……と、盛り上がったのだが、暗くなってきたので、お開き。ゴミは一箇所にまとめておいた。ゴミを片すお仕事もあるらしい。
お手伝いの人達も楽しかった! そして勉強になった! と去っていった。残り物はお土産に持ってってもらった。屋台も解体し、さて帰るか。
「お疲れさん」
振り返ったら、真後ろにソードが立ってた。
「お。……酔っ払ってたな。水を飲んだ方がいいぞ?」
「さっき、薬と一緒に飲んだ」
それは良かった。
……ソードが頭をナデナデしてきた。
「ありがとな?」
………………。
「………………これくらいは、当たり前だ」
「そうか」
「………………お前は、楽しかったか?」
「うん」
そっか。
それなら良かった。
ソードと手を繋いで屋敷に戻ったら。
屋敷が破壊されていた。
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