第6話

神社に辿り着くとコンタクトの子が私をおいて駆け出すように拝殿に向かい、参拝する。


かなり長い間何かをお願いし、私のとこに戻ってくる。


「お待たせ!!」


声のトーンも明るくなっており、イメチェンした後の姿にぴったりだった。


「大丈夫だよ。何をお願いしていたんだい?」


「それは秘密。」


ふふふと笑うコンタクトの子。

イメチェンすると自信つくのかなぁと変貌ぶりに驚く。


「次あっち行こ?」


と手を取られグイグイと引っ張られる。

拝殿とは違い、人が全くいないような寂しい本殿近くまで来た。

ピタッとコンタクトの子が止まる。


「こんな所で言うのも罰当たりかもしれないけど私が言えるのは今しかないと思うから…。」


いよいよかと覚悟する。


「私と付き合ってください。」


「それは嬉しいけど…。」


と喜びながらも申し訳なさそうに切り出すと分かってると言うように私の言葉に続く。


「あの子にも告白されたんでしょ?私違って大胆で明るくて人付き合いも良い。」


「ごめんね…。」


「仕方ないもの。こんな地味で目立たなくて誰にも話してもらえないような私なんて…。」


「でも貴女は変わろうとしてるし、ここ最近変わってきてるよ?」


「ありがとう。素直に言ってくれて嬉しい。これからも変わるように頑張るけどあの子と貴女の方がお似合いだと思うの…。」


そう言って俯いてしまった。


「でも私は貴女が変わり続けていく様を隣りでみたいとも思う。」


本音だ。

彼女の変化の側にいられたら面白いと思う。

だが、いじめられっ子と付き合ってもあの明るさに元気を貰えそう。

悩む。

私が本当に好きなのはどっちなのだろうか。


「わかった。じゃぁ、返事待ってるね。答えが決まったら教えて。もし私を選ばなくても3人仲良く過ごしましょう?」


「もちろん。」


そう言って手を繋ぎ、途中まで一緒に帰る。

別れ道に差し掛かり、ばいばいと互いに手を振る。

何か引っかかる感じで途中で振り返る。

何か言いたげそうなコンタクトの子が遠目でこちらを振り返っていた。

しかし、今言うべきことではないと自分で納得させるように首を振り、帰っていった。


その夜、ベッドでものすごく悩んでいた。

どっちと付き合うか。

そもそも付き合わないか。

いや、付き合わないというのは無い…か…。

ならどっちを…。

考えがグルグル巡り、ようやく答えを見つけた時には夜中の3時になろうとしていた。


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