第502話 スクショの提供と応募
ログインすれば、エンのすぐ側である。まぁ昨日ここでログアウトしたんだから、当たり前なんだけどね。
今日のゲーム内は昼間の日で、天気は少し曇っているくらいか。周囲を見てみれば、混雑している程ではないけども、それなりに人は集まっている。まぁここは待ち合わせ場所にもよく使われてるし、不思議でもないか。……うん、今は特に知り合いはいないかな。
よし、とりあえず忘れないうちにログインボーナスを貰っておこうっと。進化ポイントの必要量が増えてきているから、毎日のちょっとのポイントとはいえしっかり受け取っておかないと勿体ないしね。……共闘イベントでもうちょい残しておけば……いや、これは終わってから言っても仕方ない内容だな。
<ケイが『進化ポイントの実:灰の群集』を使用します>
<アイテム使用により、増強進化ポイント4、融合進化ポイント4、生存進化ポイント7獲得しました>
<ケイ2ndが『進化ポイントの実:灰の群集』を使用します>
<アイテム使用により、増強進化ポイント4、融合進化ポイント4、生存進化ポイント7獲得しました>
これで今日の分のログインボーナスの確保は完了っと。さて、まずは何からやっていこうかな? ……さっきいったんからコンテストについての説明を受けたし、受付窓口になるエンの方も見てみるか。
あ、エンに他の人が話しかけてるみたいだね。最近のエンは話しかけられてない状態の事の方が少ないなー。まぁ近くまでいけばステータス画面から必要な事は全て出来るから別に良いか。……よし、スクリーンショットの提供とコンテストの受付ってのがあったし、内容を確認していこう。
まずは普通に群集クエストとしてのスクリーンショットの提供か。……ふむ、スクショ1枚辺りの情報ポイントは……あ、固定じゃないんだ? えーと、基本的には1枚で情報ポイント1は最低限保証はされるけど、提供済みのスクショとほぼ同じ場所と同じ構図の連射のスクショは対象外になるのか。まぁこれは無駄に撮りまくってポイントの荒稼ぎを防止する目的みたいだね。
提供したスクショは自動判定で1〜5までランク付けされて、それに合わせた情報ポイントが得られるという訳か。ランク5が最高判定のようである。あ、簡単な説明書きがあるね。……なるほど、初期エリアより遠かったり、進化階位が高い敵が写っていればランク判定は高くなりやすいんだな。
さてと次はコンテストとしての情報だ。えーと、個人部門と団体部門で選ぶようになっているね。当然と言えば当然だけど、団体部門は1人ではエントリー不可と。あとはいったんに見せてもらった応募要項はここでも見れるようになっているんだね。
よし、今までに撮ったスクショでも個人部門で出してみよう……あ、コンテストにエントリーするには提供済みのスクショの一覧から選ぶ必要があるのか。それじゃ先にエンに提供をしておこうかな。さてと何があったっけ……? お、良さそうなのが3枚か。自分じゃあんまり枚数は撮ってないから数はあんまりないや。
えーと、まずは雪山で撮った氷結草の群生地でみんなで撮った集合スクショだね。とりあえず1枚目を提供……お、ランク4って事は結構いいんじゃね? ふむふむ、ランク4で情報ポイントが200貰えたぞ。
よし、それじゃ雪山の途中で撮ったやつをいってみよう。お、これはランク3って事は、氷結草の有無がランクの変動要素かな? とりあえずランク3だと情報ポイントは50か。これは結構情報ポイントが下がったな。
それじゃこれはどうだろう? ネス湖から浮上してくる時にみんなで撮ったやつ! お、これはランク4で情報ポイントは200か。ふむ、場所としては変哲もない場所だけど他の群集の人も一緒に混ざって写ってるのが大きいのかな?
さてと提供した3枚で情報ポイントを合計450ほどゲット。これで今の所持情報ポイントは1723ポイントになったね。うん、3枚だけだったけど結構良いポイント数になった気がする。俺でこれならサファリ系プレイヤーならもっと大量に情報ポイントが手に入りそうだ。
あ、そういや情報ポイントでの交換アイテムが増えているって話もあったっけ。一応ラインナップを確認しておこうかな。
おー!? え、各エリア毎に進化の軌跡や進化の輝石の種類は決まってたけど、全種類が交換出来るようになってる! しかも軌跡は欠片と小結晶のどちらも選択可能! 今まで無かった纏闇用の進化の軌跡と進化の輝石も追加されてるし、思った以上に豪華になっていた。特性の種や実に関しては特に変わらずか。
あ、癒水草や氷結草とかの草シリーズが交換可能になってるね。1個50ポイントだから消耗品としてはあまり安くはない気もするけど……。
あー、瘴気の凝晶と浄化の輝晶も追加されてるけど、1個2000ポイントって高いな。これは共闘イベント中に取っておけって事だったんだろうね。……うん、手に入れといて良かった。
とりあえず大体の交換アイテムのラインナップの確認は終了っと。とりあえずすぐに必要なものは特にないし、必要になるまではスルーで良いかな。
それじゃさっき提供したスクショがエントリー可能なスクショの一覧に出てきたから、エントリーしていこうかな。あ、注意事項が出たね? えーと、このクエストの開始前のスクショに関してはどんな内容でも個人部門のみになるのか。ま、これは仕方ないか。
この注意事項については了承を選択してエントリーを進めていって……よし、3枚とも個人部門にエントリー完了! ま、通るとも思えないけど、スクショがあるなら出さなきゃ損だしね。
それにしてもこのコンテストの内容なら、サファリ系プレイヤーの人達は張り切るだろうね。コンテストの賞品も豪華だし、情報ポイントを沢山手に入れて軌跡や草シリーズの補充も可能だもんな。
未成体で進化の輝石を使った合成進化を行うには2個必要だって話もあったはずだし、その辺も調整しやすいだろう。うん、必ずしも強さが必須なようにはなってないしね。
さてととりあえずコンテスト絡みで今すべき事はこれで終わりかな。昨日の段階では色々あり過ぎて確認してなかった内容だけど、今日のコンテストの詳細告知があってから情報が更新されてるみたいだから二度手間にならなくて結果的には良かったのかもしれない。
「お、ケイさんじゃん」
「……ん? あ、ダイクさんか」
「おう、ダイクさんだぜ! ケイさんもスクショの提供か?」
「まぁそんなとこ。って事は、ダイクさんもか?」
「おうよ!」
ダイクさんもどうやらスクショの提供をしに来ていたようである。レナさんがあちこち行く時にダイクさんは連行されてるみたいだから、スクショは色々と撮ってそうではあるもんな。
「それにしても、レナさんにあちこち連れ回されたのがこんなとこで役立つとはな……」
「……なんか、お疲れ様?」
「……おう。まぁ情報ポイントは4000は越したか」
「多いな!?」
「あー、成熟体のスクショが何枚かあるからな。それがランク5で500ポイントだったぜ」
「へぇ、ランク5って500ポイントなんだ」
俺はランク3と4だったから分からなかったけど、ランク5だとかなりのポイント数になるのか。しかも成熟体のスクショはランク5になる訳か。……死亡がほぼ確定にはなるけども、それさえ気にしなければこれは美味い情報ポイント稼ぎになるかもしれないね。
まぁ問題は成熟体との遭遇は運任せの要素が強い……いや待て、ネス湖のあのアロワナならどうだ……? そこならコケボウズの神秘的な光景も相まって、かなり良いスクショが取れるのでは……? ふむ、検討の価値はありか。
「あー、ケイさん。あのネス湖なら、今は行かないほうが良いぜ?」
「……声に出てた?」
「おう、出てたぞ。ま、みんな考える事は同じで、あそこは混雑してるぜ。ついでに死者多数だ」
「あー、そうなってるのか」
そっか、そうだよな。あそこは3群集のサファリ同盟と、その他の希望者が集まって調査したエリアだし、見つけた情報は共有されているもんな。絶好のスクショ撮影スポットになっていても何の不思議もない……というか、そうなって当然である。
「ちなみに、あんまり同じ場所のスクショの提供が多くなるとランクが下がるっぽいぜ?」
「え、マジで? あー、でも当たり前といえば当たり前なのか。調査という名目だから、同じ場所の同じスクショばっかりは要らないって事か」
「ま、クエストの設定的にはそういう事だろうな。運営的には同じ場所ばっか撮ってるんじゃねぇってとこじゃね?」
「ははは、そりゃ確かに!」
情報ポイント狙いで同じ場所を狙うのは駄目って事なんだね。まぁ、趣旨を考えるのなら当たり前ではあるか。ふむふむ、群集クエストのクリアの為に見つけなければいけない『???』の件もあるし、やっぱり色んな所に移動して行けという事なんだろうね。
「さてと、今日はこの後レナさんと合流の約束をしてるんだけど、ケイさんは?」
「俺はみんなのログイン待ちだな」
「それなら、夕方はダイクさんとレナさんも一緒にどうかな?」
「うわ!? あ、サヤか」
「あー、サヤさんか。びっくりしたぜ」
「あはは、ついね?」
ダイクさんとこれからどうするかという話をし始めた瞬間に、間に割り込んできたサヤだった。あー、背後からいきなりでびっくりしたー!
あ、どうやらヨッシさんもログインしてきてるみたいだね。ハーレさんは電車に乗り遅れたから、もうちょっとかかるかな?
「サヤ、驚かし過ぎだよ?」
「あはは、ケイ、ダイクさん、ごめんね?」
「まぁ別にあれくらいなら良いけどさ」
「俺もあれくらいならな。いきなり背後から蹴り上げられて、担がれて連行されるのに比べたらどうって事はねぇよ」
「え……、レナさんってそんな事をしてるのかな……?」
「あー、いや、まぁ事実ではあるんだが、別に嫌って訳じゃねぇんだぜ? ほら、レナさんって誰にでもそうする事があるって訳でもねぇしさ! って、俺は何を言い訳してるんだ!?」
へぇ、これはまたダイクさんは本気で嫌がっている可能性も少しはあるんじゃないかと心配してた面も僅かながらあったけど、全くその心配は要らなさそうだね。ふーん、そっか、ダイクさんって嫌がる様子を見せながらも、内心は本気で嫌がってはいないんだ。
「へぇ、ダイクさんってそういう事なのかな?」
「もうちょっと嫌がってるものだと思ってたけど、そうなんだ」
「どうやらそうみたいだな」
「ちょ!? 3人して、その反応はなんだよ!?」
「いやいや、ダイクさん、皆まで言わなくてもいい。大体分かったからさ」
「ちょっと待て、ケイさん!? 何が分かったって!?」
いや、だって、ダイクさんはレナさんの割と横暴とも言える連行について愚痴を言いかけたかと思ったら、サヤの少し引いた反応を見て即座にフォローし始めたしさ。どう見ても少なからず好意は持ってるよね。
俺はそういうのも良いと思うよ。オンラインゲームをきっかけに結婚したっていう人の話って聞くしさ。そうそう、それを言うのなら弥生さんとシュウさんがそれに近い感じではあるもんなー。それにレナさんのダイクさんへの反応を見る限りではまんざらでもないんじゃないか?
おっと、そんな事を考えていたらレナさんの登場である。そういやレナさんもダイクさんも何歳なんだろうか……? まぁ、その辺を詮索するのはマナー違反だし、気にしないでおこうっと。
「ねー、ねー? みんなして、何の話ー?」
「っ!? な、何でもないって、レナさん!」
「およ? ダイク、どうしたのかなー?」
何やらレナさんはダイクさんの様子が変なのを察したっぽいね。うん、これは他人事として見るのにはちょっと面白いかもしれない。
「ねー、ねー、ダイクー?」
「だから何でもないって!?」
「嘘だー。何を隠してるのかなー?」
そうしてしばらくの間、レナさんによるダイクさんへの詰問が続いていった。あー、うん、なんだか周囲の人達も集まってきて、注目の的になっている。……ちょっとこれはからかい過ぎたかな?
「みんな、お待たせー! あれ、何やってるのー!?」
「お、ハーレさんも来たんだ。ケイさん達は夕方にはアルさんが居ないから4人PTだったよね? 良かったらだけど、一緒に探索しない?」
「おう、俺は良いぞ」
「それいいねー! 私も賛成です!」
「私が初めに提案してたし、賛成かな」
「私もそのつもりだったから問題ないよ」
「……おう、なんか妙に疲れたけど、俺も良いぜ」
「それじゃ決定だ! それじゃダイクをからかうのはここまでだね」
「……はぁ、助かった」
ホッとしたようなダイクさんではあるが、その様子をレナさんが目を光らせて見ているね。さて、レナさんとダイクさんの関係性は今後どうなって行くんだろう?
まぁそれはそうとして、今日の夕方の部はいつものメンバーにレナさんとダイクさんを臨時メンバーに加えての行動である。特に問題はないけど、何気にレナさんの臨時メンバー率が高い気もしてくるね。
さてと氷の昇華を使った昇華魔法の組み合わせの確認は最低でもやる予定だけど、その後はどうしようかな? ま、それを終わらせてからみんなで相談して考えようっと。
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