オムニバス形式で進むお話は表題の通り、何気ない情景をゆったりとした時間の中、まるでコーヒーブレイクのようなタッチで描かれています。それだけではなく、心象風景も垣間見ることができて、中々、唸ってしまうような深いお話もありました。目を凝らさなければ見つからない、少しだけ心に引っ掛かる場所を見つけるのが上手なのだな、と作者様の印象を受けます。
吸い込んだ息を吐きだすように。美しい言葉と視点、写真で言えばスナップのように切り取られた街並み、風景、心の片隅を紡いでいて、心に染みわたる詩は良いものだな、と読み進めてしまいました。
※:情景20まで読ませて頂いた時点です。
一話一話はとっても短いです。
多分このまま読み進めて行くと、あっと言う間に最新話に追い付いてしまうでしょう。
・・・でも、何だかそれでは勿体ないと思ってしまいました。
一話読む毎に余韻を楽しみたいなって・・・、そう思ってしまうような作品です。
お話自体は一話か、長くても数話で終わる短い短い物語なのですが、読み手の脳内に情景を想像させて、さらに読み手の相似記憶を引き出させるような、そんな力を持っているような不思議な作品群です。
ここからはあえてゆっくりと読み進めさせて頂く積もりです。
※:この作品はたくさんの人に読んで貰いたいです。