オムニバス形式で進むお話は表題の通り、何気ない情景をゆったりとした時間の中、まるでコーヒーブレイクのようなタッチで描かれています。それだけではなく、心象風景も垣間見ることができて、中々、唸ってしまうような深いお話もありました。目を凝らさなければ見つからない、少しだけ心に引っ掛かる場所を見つけるのが上手なのだな、と作者様の印象を受けます。
吸い込んだ息を吐きだすように。美しい言葉と視点、写真で言えばスナップのように切り取られた街並み、風景、心の片隅を紡いでいて、心に染みわたる詩は良いものだな、と読み進めてしまいました。