第141話 兄様に汎用騎は似合いません By エレイア
先延ばしにされていた様々な事案の解決に
実は誘われた身に過ぎないのだが、東方諸国を越えた地域とも繋がりのあるニーナの
「最近は香草茶ばかり飲んでいたから、感慨深いな」
「フィーネ嬢の趣味… というよりも物流の問題かしら?」
「水揚げできるのが小さな河川港しかないのは悲しいところだ」
「割と山岳地帯よね、守りに
転移前の地球に置き換えると
艶やかな桜色の唇でザッハトルテを
「本来は北海産のサーモンとか手に入らない土地柄なんだから、缶詰を普及させた私に感謝しなさいよね。魚好きなんでしょう、
「否定はしない、ついでに刺身も喰えれば泣いて喜ぶぞ」
「ん~、流石に生は
食べたいなら独自の冷凍技術や流通経路を確保しろと冷たくあしらわれ、苦笑しながら都市南門の戦いで踏み荒らされた農地へ横たわる複数の騎影を
既に魔導炉と魔導核を交換した “
修繕に時間が掛かっているのは不慣れな準騎士達へ預けた鹵獲騎であり、大破している三騎のグラディウスを犠牲にした
「まったく、どうやって手懐けたか知らないけど、いつの間にかリグシア領の軍属と仲良くなってるじゃない」
「偶々、老翁殿が持っていた杖を市街地で拾ってな、遺品を探していたホルスト領の行商にくれてやったら、何故かラムゼイ卿を紹介された。後、これも……」
半刻ほど前、転移直後より付き合いのある斥候隊長に届けられて読んだ親書を取り出し、
ささっと彼女が目を通した署名には柔らかい印象の文字で、ウルリカ・メイディングと記載されていた。
「亡くなったアルダベルト元老院議長の孫娘…… って、趣旨と体裁は感謝の手紙でも、文面を見る限り
「天幕に持ち込んでレヴィアに見られたら、色々と密告されそうだ」
かなり祖父を慕っていた少女らしく、理知的な表現で
「この
「社交辞令の
筆まめな事だと思いつつも、日本のカフェで何度か目にした
少々甘すぎるため、主役の脇へ添えられた無糖仕立ての生クリームを含んで、口直しを挟みながら完食する。
「甘いのは苦手そうなのに残さないとか、クロード殿の律儀なとこは好きよ」
「偶に食べる分には美味しいさ、本当にな」
「ふふっ、白ひげを生やしたままだと格好付かないわよ」
身体ごと椅子を動かすと、陽光に銀髪を輝かせたエレイアの姿が視野に入る。
「イザナ様の御付き魔術師に見られたら、また説教部屋に連行されますよ? 例外的措置が認められているのはレヴィ姉様だけです」
「
「はい、これで私達の乗騎も発見した固有兵装を扱える算段が付きました♪」
本格的な冬に至り、今暫く大規模な戦闘は起こらない可能性が高いものの、敬愛する兄の騎体が第二世代の量産型に過ぎないため、密かな不満を抱いていた銀髪碧眼の
「あの
「
聞き捨てならない発言を受け、瞳を細めた領主令嬢が睨んでくるも、
上機嫌なエレイアと不機嫌なニーナに挟まれつつも、俺は少し温くなった紅茶を一口啜り、若干の
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