第115話 昨日の敵は今日の友、反撃の狼煙を上げろ
「ふふっ、準備万端といった感じでしょうか?」
『あぁ、必要な戦力は小型異形含めて想定通りに召喚できた』
『特段の支障が無い以上、後は標的を引き寄せて討つのみ』
片側で銀髪を結い上げた侍女の問い掛けに
やや生物的な印象もある “
広場に取り残された“
『… 微妙に遅い、また嗜虐趣向で時間を潰したな』
「いえ、生き残りがいないように慎重を期しただけです、
蛇足の一言で故意に馬脚を見せ、噓吐きとならずに弁明した喰えない侍女は風の魔法を紡いで、
さらに連続した気流操作も織り交ぜて、有翼騎の転送時に
「ありがとう御座います」
「どう致しまして… というか、魔導炉を稼働させて欲しい」
有無を言わさず、内部に引き入れた動力制御の
血液たる
各部と繋がる神経節経由にて、乗り手の意思を受けたアルビレオは淡い魔力光を一瞬だけ主副四枚の翼から
『魔導炉出力60%前後で安定、背部スラスター四基の制御系に異常なし… さて、私達も行きましょうか』
『ん、どさくさに
遥かな過去にエルフ種が “滅びの
なお、中核都市ライフツィヒに収容しきれず、収穫済みの耕作地に駐屯していたリグシア領軍の
「ッ、し、小隊長、これって普通に罠じゃないでしょうか?」
「分からん、
「大方、奴らは南側に主力を配置したいんでしょうよ」
「リゼル騎士国とゼファルス領の連中が近くまで来ていますからね」
つまり、現状を
その上で自分達は市街地の遮蔽物や狭い路地を駆使して、明らかにサイズ違いな巨躯の怪物を避けつつ、深く浸透して小型種を討滅する腹積もりなのだろう。
騒動の渦中へ飛び込む行為だが、精霊門より継続して召喚できる戦力には限界もある事を踏まえたなら、帝都にも近しい大都市が内包している万単位の領民を救う手段として悪くない。
「突入後、半個小隊にて散開ッ、各指揮は主副の部隊長が取れ!」
「「「うぉおおぉおぉ――ッ!!」」」
先陣を切るライフツィヒ出身者の多い旅団第二大隊第一中隊所属の精鋭らは指揮官の激に
ただ、家族や恋人の救援に繋がるため、死闘に
「
「あくまで一帝国兵の職責を果たすのみ」
若干、
このリグシア領軍が採った強硬策は結果的に大正解と言え、思惑通りに
……………
………
…
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