第112話 望ましくない波乱の始まり
レガルド領から続く森林地帯を抜けた先、大量の
「分かった、出迎えの準備を進めろ」
「………… 宜しいのですか?」
遠縁にあたる騎士長ヴァルフを含む、多くの騎士や魔導士達を討ち取られて落胆し切った領主に問い掛け、すぐに
本来ならば怒鳴られて
「もはやリグシア領の
「
深く頭を下げた将校が退出すると執務室には重苦しい空気だけが残り、会談に備えて同席していたアルダベルト老は肩を
それでも
「
「感謝する、
騎体適性の都合上、実戦に投入可能な水準の人材は
「命令を下した為政者の義務だ、それ
「ふむ、騎士国に
「進退
「確かに…
凝り固まった貴族主義
手勢の軍備増強に加え、他国への技術供与を敢行する女狐の行動に疑念は
(後悔先に立たず、というのは
“血気に
他に先んじて打ち合わせておく事は無いか、会話の途切れた合間に考えを
直後、前触れなく生じた強震によって室内の窓ガラスは
「ッ、地震だと!?」
「こ、これがそうなのかッ!!」
アイウス帝国に限らず西方諸国の地盤は安定しているので、数年に一度くらいしか起こらない現象に二人して戸惑うが、十数秒ほど経過すると揺れは次第に収束していく。
領主の
「馬鹿なッ、あり得ない!!」
「まさか、存命の内に拝見できるとは… 冥途の土産にしても
年の功だけ達観しているアルダベルト老は距離的に近い広場より届く微かな
早くも十数名が
返事を待つことなく入室して一礼したのは見目麗しい二人の侍女で、リグシア領の騎体開発や資材調達を担う白狐ことファウ・ザゥメルの従者である。
ただし、彼女達の外見は若干変貌しており、病的なまでに白い肌とエルフ種特有の笹穂耳も相まって、清廉な人外の雰囲気など醸し出していた。
「我が主の伝言を預かっています、心して聞きなさい」
「“さようなら、もう会うことはないでしょう”」
瞬時に姿を
「ぐぶッ、て、転移、先を… 辿った、のか?」
追い
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