第68話幽玄の月低く在り

幽玄の月低く在り

赤く明く晴れ上がるつら

イカレタ曲輪くるわに覗く

黄金のすすきが空を咲き

二重に繋がるとき

我が腕で掬いたい

びた女の顛末は

春の渓谷とに架かる

崑崙に行けなくとも

生き憑かれ夢心地に

心抱いだかれた今にも

霊廟の扉が薄く開かれ

ケンタウロスが護る

一凛いちりんの薔薇は浮き沈む

対岸を浸りてわた

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