第18章「迫り来る選択」その8
楽しかった…か。
ごめん、平木、僕は嘘ついた。
本当は…ちょっとガッカリしたんだ。
だって今いる日常がものすごくつまらないんだから。
おかしいのは分かっている。
ちょっと前までは『悩み部屋』なんて知りたくない、この平凡な日常でいいとほざいていた。
僕もこのまま歳をとらずにずっと子どものままならそれでいいと思う。
でも自分の進路とか考えると、決して自分中心には回らないリアルなこの世界はなんてつまらないんだと思ってしまう。
分かっている、甘えたことだ。
怖いんだ、自分が何者にもなれないって気づくことが。
あの部活に入れば、何かが変わる気がしていた。
でも今日僕がした事は何だ、テスト勉強をしただけ。
ずっとずっと親や教師に言われたことを続けて、
まるで味のしなくなったガムをいつまでも噛み続けているようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます