第18章「迫り来る選択」その8


楽しかった…か。


ごめん、平木、僕は嘘ついた。


本当は…ちょっとガッカリしたんだ。



おかしいのは分かっている。


ちょっと前までは『悩み部屋』なんて知りたくない、この平凡な日常でいいとほざいていた。


僕もこのまま歳をとらずにずっと子どものままならそれでいいと思う。


でも自分の進路とか考えると、決して自分中心には回らないリアルなこの世界はなんてつまらないんだと思ってしまう。


分かっている、甘えたことだ。


怖いんだ、自分が何者にもなれないって気づくことが。


あの部活に入れば、何かが変わる気がしていた。


でも今日僕がした事は何だ、テスト勉強をしただけ。


ずっとずっと親や教師に言われたことを続けて、



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