第17章「罪の罰」その1



「お前らは俺を馬鹿にしてるか?」


僕が所属する一年三組のクラスは今、教師が放つ独特の威圧感で、みんな固唾かたずを飲んでいた。


どうしてこうなったかと言うと、学校で教師に叱られるといったら、大概これ、校則違反だ。


今、怒られている三人組はサッカー部のレギュラーをいいことに、少しお調子に乗ってる、


カースト的には一軍だが、いちいち教師の機嫌という名の毛を逆さにでてしまうあわれな人たちだ。


今回は休日の間に髪の毛を染めてきたことが、現代社会の教師、山寺先生の血の気を上らせた。


この先生は平木や西山にすら雷を落としたことがあるこの道三十年の強面こわもてのオッサン教師だ。


そしてうちの高校は髪の染色は校則違反なのだ。


でも長期休暇でもない今の時期にやるなんて何て愚かなことを、と皆は思うに違いない。


きっと文化祭が終わって浮き足立ったがために、羽目はめを外すのを冬休みまで我慢が出来なかったんだろう。


それに先生に怒られる前の自信満々の様子から見ると、おそらく彼らにも思惑があったんだろう。


なぜなら染めた色は暗めの茶色なので、もし問いただされても日で髪の毛が日焼けたからとか言って、誤魔化ごまかすつもりだったようだ。


だが、そうは問屋がおろさぬで、ベテランの教師からしたら、焼けた髪の色と染めた色を見分けるくらい、朝飯前らしい。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る