第3章「僕たち私たち」その13
二限、三限、四限が終了し、時間は昼休みへと移行した。
僕はこの時間が苦手だ。
みんなこの時間はうるさいのだ。
騒ぎ声が頭にいやに響く。
小学、中学生の時は、別に気にはならなかった。
きっとあの頃は今ここにいるみんなと
同様に馬鹿みたいに騒いでいたからだろう。
加害者はいくら反省しようと
被害者を理解することなど出来ない。
被害者側に回ってこそ、
本当に気持ちを理解することなど出来ない。
しかし、今はそんな友だちはいない。
初めにも言ったが、僕は右隣の少女に気を取られて、
高校生活のスタートラインから少し出遅れた人間なのだ。
クラスの男子とはまだ知り合い程度でしかなく、
向こうからこちらに来ることはめったにない。
それに、この時間が嫌いな理由は他にもある。
それはみんなで食事することに意味を見いだせないことだ。
みんなで一緒に食べることに何の意味があるのか?
しかし誘われれば、断ることができない。
だから僕は普通へと舞い戻っていく。
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