合コンと友人
「雅也‼︎ 合コン行こうぜ‼︎」
「は……?」
「だから合コン行こうぜ‼」
「……死ね」
「酷い!?」
「酷いのはお前だ」
僕に咲夜という相手がいる。にもかかわらず僕を合コンに誘うなどどう考えてもおかしい。しかも僕の気持ちは敦も理解しているはずだ。
大体高校生が合コンという発想自体おかしい。ああうのは出会いがないからするのであって、僕達高校生には幾らでも出会いようがあるではないか。
現にうちのクラスは男子より女子の方が多い。その中から仲良くなりたいと思った子に声をかければいいだけで、合コンなどする必要は全くない。
「そういうなよ~人数合わせの為に来てくれよ~」
「人数合わせ?」
「そう。人数合わせ。実は元々今日は俺を含めをた彼女いない非リア充男子五人で合コンする予定だったんだけどな。ただその内一人が急に用事入ってしまった。そこで白羽の矢が立ったのが雅也くん。君だ」
「うん。わかった。やっぱり殺していい?」
「ちょ‼ ま、待てって‼」
「なんだ? 辞世の句でも言いたいのか? ならさっさと読め」
「いや、言わないよ‼ 死んでもサヨナラなんて言わないよ‼︎ 大体なんで言わなくちゃいけないんだよ!?」
敦は一々オーバーなリアクションをしてくる。はっきり言ってすごくウザい。
「お前が僕に対して馬鹿なことを言ったからだよ。それに僕が合コンに行くメリットはない」
「メリットならあるぞ‼︎」
「ふ~ん。どんなメリットがあるんだよ」
どうせ大したメリットではないだろうが聞くだけなら無料だ。 それに一応相手の言い分も聞いてやらないとそれは理不尽な暴力と同じだ。
「実は今日の合コン相手。あの聖カタリーナ女学園なんだよ‼」
「何……だと……!?」
その言葉を聞いて僕は驚きを禁じ得ない。
聖カタリーナ女学園。略して聖カ。その実態の多くは謎に包まれており、唯一わかっていることはその学校の卒業生は必ず社会的に成功するという事と教員、生徒含めそのすべてが美女と美少女で構成されているということのみ。
その様な学校あっていいのかとは思うが、実際あるのだからよいのだろう。それにこの学校は確か咲夜の中学時代の進路希望調査の時に書かれていたし、実際合格していたらしいが咲夜はそれを蹴った。理由は……言わなくてもわかるだろう。
「ふっふっふ。その反応を見るにどうやら興味はあるようだな」
「それはまあ……僕も男だし……」
美少女とお近づきになれる権利を敦は無理でくれると言っているのだ。それを棒に振るのは流石にもったいない。
それに僕としては美少女は見ているだけで楽しいので僕から話しかける気もないし、そんな相手に話しかけてくるような稀有な存在もいないだろう。
「ただなぁ……咲夜にバレたら怖いしなぁ……」
「大丈夫だって。秘密にしといてやるから」
「それに先輩も……」
「大丈夫。平気、平気」
「なあ……行くにしても二人に話だけでも……」
「お前……いくらなんでもそれはダメだろう。仮に言ったら多分お前拘束監禁エンド待ったなしだぞ?」
「何それ!? 怖い!? というかそれならやっぱりやめ……」
「ダメ。お前は強制的に連れて行く」
「なんで!?」
「あんな美少女二人に好かれて妬ましいから」
「お前本性出しやがったな‼」
僕はすぐさま離脱をはかろうとするが敦に襟をつかまれる。純粋な力比べならば敦に負ける自信はない。でも敦はそんな僕の考えを見越していたのか仲間を呼んでいた。
仲間の名は、左から
「敦……手伝うぜぇ」
「ひっひっひ……これでこいつが木葉さんと破局すれば……ひっひっひ……」
「俺は霧羽先輩の方が木葉さんより好みだな」
「お前ら……そんなキモイ事言ってるから彼女できないんだよ……」
僕はこの三人とは別に仲がいいわけではない。かといって悪いわけでもない。それ以前にこの三人と仲がいいのはそれこそ敦くらいなもので、それ以外の人間と三人が一緒にいる姿を僕は見たことない。
「うるさい‼ 大体お前みたいなモブ顔がモテる事自体おかしいんだ‼」
「そうだ‼ そうだ‼ 俺達はこんなにもカッコよくて、イケメンで、眉目秀麗なのに」
「しかも僕たちは頭もいいし、運動もできるんだぞ‼ なのに何故モテない‼」
「だから発言が問題あるって……」
特に青森の発言は馬鹿丸出しで酷い。その様な発言を聞けば女性はナルシストにしか捉えないだろう。いくら顔がよくても性格がナルシストでは、女性にもてるわけなどない。かといって相手の事を尊重しすぎるのもダメなわけで、恋愛という物は本当に難しい。
「うるさい‼ 貴様の発言など聞いていない‼」
「ええ……」
「三人とも早く連れて行くぞ」
「「「おう‼」」」
敦の統制のもと四人は僕を運んでいき、僕はそれになすすべない。
「よっしゃぁ‼︎ 今日こそは彼女作るぞ‼︎」
「「「おお‼︎」」」
「はぁ……こいつら本当に嫌……」
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