第39話ギルドマスターからの依頼
「こちらの冒険者がとんだ無礼を働きまして誠に申し訳ありませんでした。後で厳重注意と然るべき罰を付与させますので」
「いや何もそこまでされなくとも。直接的な危害加えられたわけではないので不問に致しますよ」
「しかし幾らなんでもBランクが弁えもなく節令使という立場にある方に向かって考えなしに喧嘩を売るとは恥ずかしい限りでございますわ」
「まぁまぁ落ち着かれよ。何もされてない私よりも大怪我負ったかもしれないのだから十分懲りたであろうからもう気にしていませんから」
ヒュプシュさんの執務室に通された俺らはすぐさま彼女含むギルド関係者から深く頭を下げられることとなっていた。
実際俺は怒ってない。仮に怒りや不快感があったにしろ小石程度のものである。
ただでさえ余所者が自分と同格な上に有力者に贔屓されてるとみれば面白くもないのだろう。それにウチんとこの二人は喧嘩の売り買いは基本バーゲンセール状態なとこもあるからな。
男爵夫人にも言ったけど、結果的に即報い受けてるわけだしここまで大仰にされると却って被害者側の俺の方が事を収めたくなるんですが。
責任者としての誠意を宥めるのにそこから十数分は軽くかかったような気がする。
ようやくヒュプシュさんと副マスターであるローザ男爵が顔をあげてくれたので、俺もようやく椅子に座る事が出来そうだ。
そう、彼女の隣に居る青白い顔した線の細い男性こそが彼女の夫でありローザ男爵家のご当主なのだ。
当主が健在なのに何故ヒュプシュさんが冒険者と職人のギルドマスターを兼ねたり有力者同士の話し合いに出席してるかといえば、単純な話で彼は見たまんまの病弱の身だからだ。
生まれつき身体が弱く、不治の病や大病患ってないだけ奇跡レベルにマシなぐらいに健康が不安定であったローザ男爵。なんとか成人を迎えて家督を継げたが今後の先行きを本人含めて関係者全員が悩んでいたという。
そこへやってきたのが縁のある商家から嫁入りしてきたヒュプシュさんだった。
物心ついたときから実家の手伝いをしてただけあってこの時代の女性にしては珍しく学もありそこら辺の男よりも計算も出来て仕事に対する熱意も高かった。
最初は夫の補佐をする形で仕事に携わっていたけど、妻が割と有能な事に喜んだ男爵の権限で副ギルドマスターなど要職を任していった。
彼女の方も実家が実家なので仕事は嫌いではない。嬉々として病弱な夫の負担になりそうな案件を処理していった。
けどヒュプシュさんが妊娠からの育児で数年程離れた途端にローザ男爵は気づかぬうちに仕事のあれこれを彼女任せにしていたツケを払う羽目となった。
子供がある程度乳母や両親らに任せても大丈夫となって職場へ戻ってみれば、ただでさえ青白かったのに紙のように白くなった顔色の夫が弱弱しく机に齧りついてる姿が目に飛び込んできた。
家に居る時は気力を振り絞って平気な風に振る舞ってたらしく育児に集中力向けてたヒュプシュさんや男爵の親は気づかなかったとか。
結局公私共に無理をしすぎた所為で彼女と入れ替わるかのように家で長期療養する羽目になったらしい。
ヒュプシュさんは一時的な代行のつもりで業務を行っていたけど、今年に入ってようやく復帰出来るまでに回復した夫から正式に両方のギルドマスター及び当主代理を頼まれたという。
復帰出来たとはいえ生来病弱の身なので相変わらず激務には向かない。なので代わりに彼が妻を補佐する形となり、ここに世にも珍しい逆転現象が成立してしまった。
ところでギルドマスターというものは世襲制なのかという疑問があるだろうが、答えはケースバイケースである。
王都などの中央と目される場所や商都のような経済拠点、もしくは冒険者ギルド的に重要とされるようなとこに置かれた所などは様々な利権が動くような場所なので例外なしで一代限りで最大十年の任期が定められている。
ただその分それ以外の地方などでは緩い。特に田舎だと成り手がいなさ過ぎて地元有力者にスポンサーとしての見返りにと地位が提供されることもある。
ヴァイト州支部だけで言えば、当時の開拓指導者らに褒美として爵位以外に一人一つずつ何かしらほぼ独占出来る権利を与えられており、ロート家は人材関連の利権を得て今に至るとか。
というわけで他は知らないがこちらではギルドマスターというのは何も歴戦の冒険者だけが到達可能な地位というわけではない。故にギルド一つでも土地柄が見えてくることもあるものだ。
いささか話が逸れた。
謝り謝られを経てようやく俺とローザ男爵夫妻は話し合いの流れとなった。
なお、その間当事者にカウントされるであろうマシロとクロエはさっさと席に座って「暑いわー」とか言いながら携帯扇風機を首元や服の隙間に当てていた。
先程の言い方を真似るなら、Bランクがギルドマスターの執務室に上がり込んで許可も得ることなく勝手に席に座って見物人気取りとは褒められたものではない身分的には。
けれども俺はもう大概の事ではこいつらの言動を咎める気ないし、ヒュプシュさんとしては金の卵と目する相手かつ節令使お抱えの客ということでスルー推奨気味であるのだった。
「謝罪が先になりましたが、暑い中わざわざご来訪とは恐縮でありますわレーワン伯」
「いや、そこの二人が私も同行しないと動かないと言いますので」
「あら、それほど伯を慕ってらっしゃるので?」
「単に暑い中での道連れが欲しかっただけでそんな美談じみ事なぞ欠片もありませんな」
俺の身の蓋もない返事に男爵夫妻は苦笑を浮かべ、マシロとクロエは声を上げずに笑った。
「それで、今回ギルドマスター殿はこちらの二人にどういう依頼をしたいのですかな?」
「えぇそうですわね。本題といきましょうか」
ヒュプシュさんはそう言って俺達に依頼内容を話し出した。
当然ながら魔物討伐の依頼である。
質は置いといて数だけなら他所の田舎と変わらないぐらいには居る冒険者。お陰で大体のクエストは無難に処理されてはいたという。
けれども海のある場所柄としては海の魔物の討伐に関しては満足いくものではないとか。
そもそもウチんとこの港事情は以下の通りである。
商都にある港のように開かれてる形ではなく、湾への入り口は狭く、湾内は円形に広がってるとはいえ大小十個前後の島が点在しておりそれらが衝立のように港を波から守っている。
漁港や避難港としては申し分ないが商港や軍港としてはいささか不便。けれども海賊や大型の海の魔物から守りやすい天然の壁として機能してはいる。まぁ良い言い方ではないけど身の丈に合った規模と機能を有した所だ。
ここの港。というか商都にある港含めてこの時代は大体の港は漁、商、軍の共同使用施設となっている。現代日本みたいに漁港は漁港と商港は商港でと区分されていない。
三つを兼ね揃えた商都が栄えてるのはそういうことであり、基本漁港運用で避難や休憩地としての扱いされないウチの港がおまけみてーなポジはそういうことである。
今まで特に不都合も起きず、たまに漁師の活動範囲内に出てくる小物(ランクは高くてもC行くかどうか)も地元の冒険者でなんとかなってたし、なんなら地元漁師や海軍が退治して事なき得ていた。
しかし最近になって困った事が起きた。高ランクと目されてる魔物の存在が確認されたのだ。
その魔物はクラーケン。日本のRPGやファンタジー創作でおなじみな強い軟体動物だ。
この世界でも当然ながら強くて厄介な生物として海に携わる者らから恐れられている。ランクにするとAないしA+扱いだとか。
最初はやや大型のターコやイーカと思われてたらしいが、やがて何隻かの漁船が船ごと海の中に引きずりこまれたことで事態は一変。その後官民あげての慎重な調査の結果クラーケンと判断したそうな。
ならその流れで退治すればと思うが調査と退治では全然違うし、そもそも湾内を住処に定めたかも怪しいのだ。たまたま迷い込んできただけかもしれず、下手に刺激するのはよくないと地元役人と海軍の兵士らは判断した。
とは言うものの漁師や港町の住人らははいそうですかと納得いかない。
万が一住処にしたら迂闊に仕事も出来なくなるし、たまに来てくれる商船も来なくなる。今だって湾内のどこかに潜んでるかもという噂が立てばたちまちこの一帯で仕事する者も居なくなるのは目に見えている。
居るなら居るでさっさと退治するなり追い出すなりしてくれ。そう言う要望を地元民から多く寄せられた結果、港町一帯を取り仕切ってるヴァイゼさんがヒュプシュさんに依頼をかけたという次第だ。
魔物退治も冒険者業務の一環なので当たり前のように受理したものの、所属の冒険者らでは勝てない。ワンチャンありそうなBランクらも下級ならともかくクラーケンレベルの海の魔物は荷が重すぎる。
他所からSやAを呼ぼうにも、ヴァイト州というド田舎まで赴いてやる程の旨味を感じないのか連れない返事ばかり。
最早軍が動く事態になる程の被害甘受して耐えなければならないのかという段階にまで至ろうとしたときに、王都からやってきたのが新進気鋭かつ将来有望そして出鱈目な強さを誇る冒険者コンビというわけだ。
まさに天からの助けと神に感謝しつつも、一向にギルドに顔を出さない上に節令使の客分という立場から招聘を言い出せずにいたらしく、今回俺が視察へ赴くとなって機を逃さまいとやや強引に頼んできたということとなる。
ヒュプシュさんからまぁ大体そんな説明を受けた俺らはただただ相槌打つしかなかった。
いやというか俺だけだよ。横二人出された菓子を食べながらすっげー興味なさそうな顔してるだけだよ。ポーズだけでもいいから俺の立場考えて振る舞ってよ君ら!?
あえて無視してるのか説明に熱心で気づいてないのか、ヒュプシュさんとローゼ男爵は二人のナチュラルな無礼っぷりを咎めもせず俺に話を続けた。
「伯爵。マシロさんとクロエさんは王都に居た頃はCやBでありながらも上位の魔物討伐を難なくこなしてたと伺っておりますわ」
「ま、まぁこの二人は相当強いですからな。いつも王都のギルドマスターも驚いておりましたよ」
「王都付近にまで飛来してきたというレッドドラゴン討伐。あれもお二人が手早くやってのけたと」
「いやまぁ小型らしいですしそれぐらいだとあまり判断基準としては」
「小型でも小山程の大きさを誇る竜種には違いありませんわ。あれはAでもかなり上位に位置する者でないと倒しきれないと言いますし」
「客分として迎えてる立場としては誇らしいことです、はい」
「あと州の境付近に発生したグリフォンの群れも容易く全滅させたとも。しかも二百頭以上居たというのにたった二人で一匹残らず!」
そんなことあったな。肉大量に屋敷に持ち帰って「おらー早く鳥三昧フルコース馳走しろやー。鳥貴族じゃこらー」とか言ってたなぁ。
この後も男爵夫人は幾つものAやたまに混じるSクラスの魔物の名前を挙げては二人を褒めちぎる。こんんなとこに居るのにやけに詳しく。
横の繋がりを大切にして報告連絡相談を心がけてる冒険者ギルドだが、たかが一冒険者の事がここまで伝わってるとか、あのオヤジ相当周囲に自慢気に話してたらしいな。
王都のギルドマスターのドヤ顔を想像した俺は内心げんなりしつつヒュプシュさんの熱の籠った言葉にただただ頷くのであった。
「……それでですね、ここまで功績を積んでるともなれば次の討伐対象次第では私の方からAランク昇格申請しても異論なく受理されることでしょう。えぇえぇ間違いなく」
「な、なるほど。あと一歩まできてたということですなそれはなんとまあ凄いといいますか感謝すべきことですなはい」
たじたじになってるあまり自分でも意味不明な相槌の言葉言ってしまってる。ヒュプシュさんは熱心に頷きながら言葉を更に重ねる。
「伯爵もお抱えの者がBよりかはAのほうが良いでしょうし、私もヴァイト支部初のAランク常在してるマスターとして何かと良い事でしょうし、ヴァイト州にとっても港の安全管理への喧伝となって良いという、良い事尽くめですわ」
「う、うむ。夫人の仰るとおりで」
「なのでマシロさんとクロエさんには今回のクラーケン討伐をぜひとも引き受けてもらいたいのです」
言い切ったヒュプシュさんは喉の渇きを潤すためティーカップを手に取り温くなった茶を優雅に、だが中身の殆どを飲み干した。マナー云々言うよりあんだけ喋りまくればそうもなろうよ。
まぁ俺としても港の安全や湾内通行に支障の出るような要素は排除したいので引き受け事態は否はない。
肝心なのは実際討伐する方の事である。
ここで即座に「やらせて頂きます」と言うような性根の持ち主なら俺の悩みの種の何割かは減ってるわけでね。ギルドに顔出すのも面倒だとぶつくさ言ってたんだから正直どう答えるかハラハラしてるわけで。
俺の内心を知ってか知らずか、話を振られた二人は即答せずに無言で天井を見上げたり指で片頬を掻いたりしていた。
しばしの沈黙の後、二人は互いを見つめ合って頷き合う。男爵夫妻に視線を戻したマシロが面倒そうな表情を浮かべつつ口を開いた。
「ごめんなさいだけど、私ら別にランク興味ないし元々生活の為に冒険者になっただけなんで。リュガんとこで衣食住世話になってるから冒険者辞めてもいいかなーって」
「おぃぃぃぃぃ!!ここに来る前に俺が話した事を忘れてないかなぁ!?」
ストレートすぎる返事に俺は思わず叫んでいた。それはもう拒否されたヒュプシュさんらがマシロの言葉に反応するよりも目を瞬いてしまう程に突然に。
虚を突かれて立ち直れてない夫妻を一旦置いといて俺はマシロとクロエの方へ向き直った。
「冒険者と同時にお前ら一応俺の客分として居候してるんだからさぁ、ここは世話になってる相手の顔を立てなさいよ?大体お前らならクラーケン程度楽勝だろうが」
「えーでも探すの面倒だしー、今も言ったけどどうしても従えっていうなら冒険者辞めても困らないわけだしー」
「くくく、しがらみの束縛の煩わしき羽音。漆黒の闇よりの翼を捉えるに足らぬフリーアバンチュール」
クラーケンと戦うこと自体は楽勝なのは否定しないんか。
「この流れなら普通請け負うだろうが。わざわざ暑い中ここまで断るためだけに俺まで同行する羽目になってるとか節令使は暇じゃねーんだぞ」
「でもここで引き受けたらズルズルとランク高い魔物討伐の依頼してくる未来しか見えませーん。私とクロエは好きな時に好きなように動く生き方したいんですー」
「気持ちは分からないわけでもないが折角Bまでなってるんだからランクが高いに越した事ないだろう。冒険者といえどもA以上ともなれば社会的地位ならそこらへんの奴より立派扱いだぞ」
「AとかSとかさ、私らになんかメリット少ないんですけーど。こんなとこでチヤホヤされる代償にあちこち行かされるのマジ勘弁ー」
「ううむ……」
マシロの反論に俺は咄嗟に声が出なかった。
元々冒険者という職業は地に足の着いた職業の人から見ればお世辞にも良い目で見られないのも確かだ。それこそGやF辺りなぞはゴロツキに毛の生えたような奴の率が高いので偏見が正当化されてる面もある。
ただA以上ともなれば腕も経つし何かしら一目置かれる技能を持ってる事もあるので身分問わずそれなりに敬意を払われる。
Sや伝説ともなってるSSなんかは小さい国辺りならちょっとした英雄扱いだ。ギルドに行けば冒険者らが注目するしギルドマスターを始めとした職員らの愛想も良くなり大概の関連施設は顔パスになる。
しかしながらAやSになったらそういうフワッとしたもの以外で目に見える形での優遇となれば実は意外に少ない。
ギルドにある特別室という名前の専用共有室提供、買取や解体の優先権(複数いる場合はS優先)、解体料金の免除、ギルドマスター直筆の紹介書の発行、ギルド内に設置されてるバーでの飲食無料、馬や駕籠など移動手段の無償提供。
あとは地域によってSランクに一つ二つ何かしら特典が付与されるが、ギルド共通特典はこんなものである。肩書の威力込みでもこれらの為にドラゴンやらなんやらと死闘繰り広げろと言われたらマシロみたいに思うやつも居るに違いない。
現地人ですら居るかもしれないのだから、マシロとクロエにとってはAやSの特典なんて鼻で笑う程度にくだらないものにしか思わないだろう。
だからランク上げに固執してないし衣食住のアテがあるなら辞めてもいいと思ってる事そのものは分かる。
分かるけど人材系握ってる人の機嫌損ねたくないから少なくともこの依頼は受けて欲しいんですけど!?
二の句が継げずに唸りつつ睨んでる俺を笑ってみていたマシロであったが、クロエが俺から目線を外さずにマシロに顔を寄せて彼女に何か耳打ちをしてきた。
一、二度軽く頷いたマシロの頬が軽く歪んだ。小馬鹿にした笑顔が何かしでかそうとする嫌な笑顔になったことに、俺の脳内は不吉を告げる鐘を乱打しだした。
こういう顔をしたときのあいつらがロクでもない、しかも俺を巻き添えにする系の事を考えるのは経験上知ってる。
これ以上の動揺を表に出して男爵夫妻の前で醜態晒さないように心身共に身構える。
「……いいわよリュガに免じて引き受けても。けど条件あるなー」
「……一応聞こうか」
「クラーケン退治に最後まで同行してね節令使様ぁー」
「くくく、モンスターアタック一蓮托生デスオブデスクエストゴーイング」
「何言ってるんだお前ら」
おいおいおいそれはあれかい、港どころか俺に船に乗って眼前でクラーケン拝めってことかい。
俺は冒険者じゃないし今更言うまでもないがこの地で一番偉い地位に居る貴族なんですよ。普通なら安全な屋敷の一室で結果報告待つお仕事してる筈なんですよ。
それをなんだ君たち、下手な冒険者より危険な目に俺を合わせようというのかい。
「リュガが付いてくるなら依頼やるけど、そうじゃないならお断りー」
「なんで俺が同行せにゃならんのだ」
「んー、リュガの一喜一憂ぼやき芸観たいからー?」
「人をリアクション芸人扱いすんなや!?」
そんな理由でとかマジかよ君ら。
即座に突っぱねてふざけた提案を怒鳴りつけてやりたかったけど、視線を感じて転ずると、縋るような眼をして俺を見ているローザ男爵夫妻の姿があった。
「レーワン伯どうか、どうか何卒」
「もし万が一の事かありましたら当主として夫としてこの副マスターの命差し出します。なのでどうかご助力お願い致します……!」
「……」
席から立ち上がり再び深く頭を下げてくる夫婦に俺は眉根を寄せて額に手を当てた。
高ランク魔物討伐による地域の安全確保、入手されるであろう高級素材の数々、そして当地に初めて生まれるAランク冒険者(Sランクになる可能性大)とそれの在籍。
得る物の事を考えたらそれこそ土下座の一つでもせんばかりに熱も篭るというものか。
マシロとクロエが勝手に行って決めてくる事なのに俺が決断する羽目になるとかどういうことよ。
しかも物凄く断りづらい状況じゃねぇかこれ。ただでさえ断った後の関係考えたら気が重いのに罪悪感マシマシなんですけど。
結局、俺は散々悩んだ末にマシロとクロエの要求を呑むことで依頼を引き受ける形となり、港町での仕事が一つ増えた瞬間となった。
なんで俺がリスク背負う羽目になってるのかねホント。
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