積み上がった求人誌に血の雨が降りそそぐ


震えが止まらない。

椅子に座っているから、椅子ごと揺れる。

目の前の机にはここ数年分の求人誌が積み上がっている。

ツラい、苦しい、孤独に耐えられない……、だからなんだ?

大量に薬を飲んでも日本で認可されている薬なんか効かない。

工具で身体を刺すと血がパッと噴き出したあとに、勢いよく流れて出て、そのあとはドクドクと匂いを撒き散らす。

龍馬暗殺のときみたいに、横殴りの雨が一瞬だけ降ったという形跡。

積み上がった求人誌は血だらけ。

たまに殺人事件の現場みたいになるけど、それがどうした?

いいんだよ、この世で独り、天涯孤独の人生だから。

家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なしの人生。

引っ越しをしない限り、次にここに人が入るのは遺品整理業者だけ……、管理人や管理会社の人間は、玄関に立った瞬間に、まるで岸壁から水平線を眺めるように立ち尽くすのみ。

ツラい、苦しい、孤独に耐えられない……、だからなんだ?

日本社会から弾かれるということは、イコール、孤独を知らない人間たちの輪から飛ばされるということ。

こいつらの使う「孤独」という言葉は、私とは意味が違うし。

刑務所から出たいと思う人間と出たくないと思う人間の違い。

今はホームレス(路上&シェルター)のときよりも苦しく思う。

まぁ、あのときは、まだ若かったというのもあるけどね。

誰もいない人生で誰も知らない場所で、血を噴き出して遊ぶ?自傷?自殺未遂?大げさ?甘え?死ねば?私だって?

ちょっと時間が経つだけで、もう血痕か醤油のシミかが判別不能になるなんて、どこまで痕跡を消せば気が済むんだい?

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