第90話 また記憶が蘇る・・

「みなさん! ただいま戻りました!」


「待たせてすまなかったな」


俺と結衣はようやくみんなのところへ戻ってこれた。この時のみんなの喜びようと言ったら・・


「快斗❣️ めっちゃ心配したわよ!」


「快ちゃん❤️ 何事もなくてよかったです!」


「お兄ちゃん💕 どうやら上手くいったのね?」


なんか俺が危険な冒険から帰ってきたかのようなありさまだ。そこまで大げさにならなくてもいいのによ・・


「まあ・・ 上手くいったって言えば上手くいったかな?」


「ふふふ💛 そうですね」


結衣のことを思い出したこともあったが、あれは心の中にしまっておこう・・


「快斗も来たことだし、バーベキューよ〜!」


『イェーイ✌️』


◆■◇


バーベキューが始まって、すごい盛り上がってきた。


「ほ〜ら快斗! お肉よ! 美味し〜💛」


「快斗くん! これも中々の美味です💛!」


「快ちゃん! 野菜もおいっし〜💛!」


「お兄ちゃん! この魚もうまいね〜💛!」


みんながみんな俺に話しかけてくるから対応にも困ってしまう。俺は聖徳太子じゃねえんだぞ?


「わ、わかった・・ わかったから落ち着け・・」


俺はもう腹一杯だ・・ 腹8分目までっていうのに・・・


「俺ちょっと休んでくる・・」


「快斗? 大丈夫?」


「すぐに戻ってきてくださいね」


「まだまだいっぱい食べ物あるよ!」


「お兄ちゃんも早く来てね?」


俺は早々にギブアップしてこの場を離れた。さすがにこれはしんどい・・・


「まったく・・ あいつらは・・・・」


俺は潮風に当たって身体を癒した。はぁ〜 気持ちが落ち着くなぁ。俺は昔からこれが好きだ。


「ふふふ💙 快ちゃんは相変わらず潮風に当たるのが好きだね❤️」


「ああ・・ 梨沙か・・・」


「モテる男はつらいね〜 私もちょっと妬いちゃうなぁ❤️」


「勘弁してくれ・・ 俺も大変なんだよ」


そういえば梨沙と前に1度海に来たっけか? あの時からだなぁ。俺が梨沙に好感を持ち始めたのは。


「快ちゃんが誰に好かれてても・・ 私は1番に快ちゃんが好きだからね❣️」


梨沙がほっぺにキスしてくる。この状況ってそういえば前にもあったっけ?


こうして10年前の記憶が蘇る。



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