第83話 お父様にバレないように・・
「か、快斗くん・・ ど、どうしましょう・・・」
「お、俺に聞かれても・・」
まさかこのタイミングで結衣のお父さんが帰ってくると思わなかった。これはさすがにまずいな。まだ心の準備ができてないし・・
「とりあえずバレないように・・・」
「誰にバレないようにだと💢?」
一瞬、世界が、時間が、全て止まったかと思った。結衣のお父さんがこっちを向いていた。
「お、お父様・・・」
この人が結衣のお父さん、そして国会の切れ者雪村修平その人・・ 威厳があり、堂々としている。
これは・・ 相当まずいな・・・
「結衣よ! お前は橋本財閥の白夜くんと結婚するのだ! いい加減あきらめろ!」
「いやですわ! 私には私の人生があるのです! お父様の思い通りになんて・・・ させませんわ!」
結衣の気持ちは痛いほどわかる。でもお父さんは結衣に幸せな生活を送ってほしいんだろう。
「おい! お前!」
「は、はい。俺ですか?」
いきなり呼ばれたのでびっくりした。めっちゃ怒ってるし・・
「結衣をお前のような男がたぶらかしおって💢・・ 何をしたかわかってるのか💢?」
「い、いや、俺は結衣をたぶらかすなんてことは・・」
「お前のような男、結衣に合うわけないだろう💢」
はぁ〜 問答無用って感じだな。こいつはめんどくせえな。親ってものは・・ 時に優しいけど、時にめんどくさい。
「お父様💢? 快斗くんのせいにしないで下さい💢! 私たちは愛しあってるのです! ほらっ❤️」
結衣がいきなりキスしてきた。い、いや。さすがにまずいだろ・・
「ゆ、結衣・・ い、今はちょっと・・」
「もう少しだけ❤️・・・」
結衣は離してくれなかった。甘い感触が伝わってくる。そんなにキスされたら俺もう頭が真っ白に・・
やっとキスが終わった時、結衣のお父さんは呆然として立っていた。そして低い声で言った。
「結衣・・ 白夜くんがそこまで来ている。会いなさい!」
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