第65話 俺だって今日くらい・・

「あ、あかり〜・・」


「ああ! あかりちゃん!」


な、なんでこういう状況でいつも誰かが出てくるんだよ〜! 

俺だって、俺だって、青春を味あわせてくれよ〜!


「あ〜 梨沙さん。こんちは!」


「あかりちゃんも学園祭に?」


「ええ、誰かと周る約束してたんだけどね💢」


「へぇ〜 誰と?」


「さぁ〜💢 誰なんでしょうね💢?」


あのー こっち見て睨むのやめてもらえます? 

めっちゃ怖いんだけど・・


「あ、あかり・・ あ! あれを見ろ!」


「へ?」


「今だ! 梨沙! ちょっと来てくれ!」


「ちょ、ちょっと、快ちゃん?」


俺は梨沙の手を引っ張って人混みの中に消える。

今日くらい俺だって・・ 俺だって・・


「梨沙・・ お前の頼み引き受けた!」


「え〜っと・・ なんのこと?」


「今日くらい、俺だって積極的になってやるぜ❣️」


1日くらいいいじゃないか。バチはあたらんぞ?


「ってことで・・・」


俺は梨沙にくっつく。そして手をしっかり握る。


「ひぇぇ〜 ちょ、ちょっと快ちゃん? せ、積極的すぎるんじゃない💗?」


「り、梨沙だって・・ いつもこんな感じじゃないか?」


俺なんか間違ったことやってるか? 

もうこの際、学園祭では羽目を外してやる!


「梨沙、他にどこ行きたい?」


「ん〜っとね・・ なんか服売ってるみたいだから見たいな〜」


「よし、見に行こう!」


服売り場は色んな服が売っていた。


「それじゃあ服選んでくるね〜❣️」


梨沙は服のセンスがすごくいい。ほとんどどんな服でも着こなしている。まあ顔が可愛いのもあるが。


「俺もなんか似合うのあるかな?」


俺は正直服はあまり気にしないのだが。たまには服を見るのもいいだろう。


「おっ! これなんかいいなぁ!」


かっこいい服発見! やはり服は試着が1番。さっそく着てやろう。


「え〜っと・・ 試着室は・・・」


1つしかないのか? まぁ幸い開いてるからいいけど。


「梨沙はどれ選んでるんだ・・・」


俺は試着室のカーテンを開けた。すると・・


「キャア⁉︎ か、快ちゃん⁉︎」


「り、梨沙⁉︎ なんで⁉︎」


なんでこうなるのよ〜!




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る