第57話 人生最高の誕生日だよ‼︎
「お~い! 美香~! 結衣~! 梨沙~!」
「どこにいるの~!」
俺とあかりは一時間くらい探し回ったが見つからなかった。もう帰ったのかな? そういえば先生が
「今日は各自で帰ること!」
とか言ってたよなぁ。俺を置いて帰るなんてないと思うんだけど・・ なんか悲しくなってくる。
「お兄ちゃんを置いて帰ったんじゃないの?」
「ち、違うと思う。違うはずだ・・」
今一番気にしてることを言われた。あかり、もう少し遠慮ってことを覚えてくれよ。
「仕方ない、俺たちも帰るか」
あの3人が俺を置いて帰るとは考えにくいんだけどなぁ。まあ、このままやみくもに探し続けても埒が明かない。今度話を聞けばいいだろう。
「あかり、部屋に戻って片付けしてくるから」
「は〜い」
俺は泊まっていた部屋に荷物を取りに行った。そして部屋の扉を開けると、
「快斗❣️」
「快斗くん❣️」
「快ちゃん❣️」
『お誕生日、おめでと〜❣️』
「み、みんな⁉︎」
部屋の中はきれいに装飾されていた。そして机の上にはケーキが置いてあった。
「お兄ちゃん? 驚いた? 騙してごめんね🙏」
「あ、あかり。お前も知ってたのか?」
「てへっ❤️」
あかりも1枚絡んでいたとはな。すっかり騙されたよ。
「快斗っていつも誕生日に1人だったでしょ? それでみんなで祝おうってなったわけよ。どう❤️?」
「快斗くん、騙してすみません。でも今年は1人じゃないですよ❤️」
「快ちゃん、おめでと! これからもずっと一緒だよ❤️」
みんなが祝ってくれている。俺は泣きそうだよ。こんなに嬉しいことはない。
「みんな・・ ありがとう‼︎ 人生最高の誕生日だよ‼︎」
俺は心の底から感謝した。これ以上感謝し切れないくらい感謝した。ほんとに今、幸せを感じている。
「お兄ちゃん、よかったね! さあ、ケーキの前に座って!」
「ああ!」
俺はケーキの前に座る。ろうそくが火花を立てて光っている。そしてみんなが俺を囲んでくれる。
『ハッピバースデー トューユー ハッピバースデー トューユー』
みんなが歌ってくれる。俺はまた泣きそうになってきたよ。
『ハッピバースデー ディア快斗〜 ハッピバースデー トゥーユー』
『おめでと〜❤️!」
「ほんとにありがとな!」
歌が止み、俺は願い事をする。
「・・・・」
そして俺はろうそくを吹き消す。
「さぁ! ケーキを食べよう!」
『やった〜!』
このケーキはみんなで作ってくれたらしい。美香も結衣も梨沙もあかりも、1人1人に感謝し切れないくらいだよ。
「このケーキ、おいしいな!」
このケーキはほんとに美味しかった。なんと言うか・・ みんなの優しさを感じる。
「へへ、そう?」
「快斗くんのためですから」
「快ちゃんにはお世話になってるからね」
みんなの言葉が身にしみる。すごく嬉しい。
「そういえばお兄ちゃんさ〜 さっき何を願ったの?」
「あー! 私も気になる!」
「確かに気になります!」
「快ちゃんの願いねぇ〜・・」
俺の願いかぁ・・ そんなの1つに決まってる。
「俺はなぁ・・」
一瞬ためて、俺は言う。
「美香も結衣も梨沙も、そしてあかりも、これから何があっても一緒に過ごせますように。って願ったんだよ」
こうして人生最高の誕生日と高校合宿が終了した。
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