第45話 1日目終了 「今夜は眠れない」
「あー やっぱり寝れねえー」
さっきの出来事が強烈過ぎたのか俺は全く眠れなかった。
「一回外に出るか〜」
やっぱ眠れない時は外に出るのが1番だ。外の空気でも吸って心を落ち着かせよう。外は少し明るく、空一面に星が光っていた。
「うっわー すっげぇなぁ!」
まさに幻想的、いつもの世界から離れたような綺麗さだ。
「うわー きれい〜 ロマンチックだね?」
「ああ。・・って梨沙か⁉︎」
こんな時間にここに何しに来たんだ? もうちょっとで11時位だけど。
「なんか寝れないんだよね〜」
「はは、俺もだよ」
なんだ。梨沙も一緒だな。やっぱり慣れない所で寝るのな苦手なんだよなぁ。そう思っていると梨沙がとんでもないことを言い出した。
「さては私の裸を妄想して・・」
「い、いや・・ その・・」
「あれ? 冗談半分だったんだけど図星みたいだね」
「・・おおかた当たってるよ」
そりゃあ誰だって、男子だったら美少女の裸を見たら興奮して夜も寝られなくなるんだよ。
「ちょっと散歩しない?」
「今か? まぁ別にいいが・・」
こんな時間に散歩するのか? 結構暗くて周りが見えないんだけど。
「私の手、離さないでね❤️」
「へ? なんでだ?」
「そ、そんなの・・ 怖いし・・ この雰囲気を読んでよ!」
「う〜ん この雰囲気と言われてもなぁ」
「と、とにかく手をつないでて」
「あ、ああ。わかった」
俺は今、空一面の星の中、美少女と手をつないで歩いてる。そしてすごくドキドキ💓してる。時々梨沙が話す時に近づいてきて、梨沙の吐息が顔にあたる。
「今日はすごい楽しかったね」
「ああ、そうだな」
今日は本当にいろんなことがあった。始めは結衣とデート、そして美香とのきもだめし、風呂場での危機、そして梨沙と今一緒にいる。まだ1日目なのにこんなに楽しい日だった。
「私も快ちゃんに・・ 合宿の最後に伝えたいことがあるから・・」
「え? 今言ってくれよ」
「だ〜め。合宿の最後にね❤️」
「わかった。楽しみにしとくよ」
これからあと2日間。何が起こるか楽しみで仕方ないぜ。
「じゃあ、快ちゃんおやすみ❤️」
梨沙がほっぺにキスしてくる。もう慣れっこだ。でもやっぱりキスは照れる。そして温まる。
「・・ああ、おやすみ」
こうして合宿1日目が終わった。
『ああ、今夜は眠れない』
ふとつぶやいた言葉が、どこかではもったような気がした。
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