第42話 風呂っていったら・・ お決まりの展開か?

「え⁉︎」


「だから・・ この前の告白の返事よ。恥ずかしいから何回も言わせないで(♡´#`♡)」


ここで聞かれるとは・・ どういう反応したらいいんだろう。


「そ、その・・ 考えとくよ」


「そうね。今からすぐの返事は大丈夫よ。返事、期待してるわね❤️」


「う、うん」


やはり俺には勇気がない。結衣も梨沙もいる中で、美香の告白にOKはできない。でも美香を悲しませるのは嫌だなぁ。どうしたらいいんだろうか?


「・・そろそろ暗いし帰ろうか」


「・・ええ。そうね」


俺は気まずい中、帰ることにした。帰りは一言もしゃべらなかった。俺もそろそろ1人に選ばないといけないのかなぁと悩んでいた。そうしてる間に宿舎に着いていた。


「ここからは男女別だから」


「そうね。快斗、おやすみ」


ここからは俺1人だな。なにしろ俺には男子友達があまりいないから少し寂しい。いつも美香や結衣や梨沙がいてくれたからなぁ。


「君ってあそこの高校の生徒かな?」


1人で歩いていると、唐突に男子の1人がしゃべりかけてきた。見た目は、人懐っこそうだが凛々しい顔、少し細めの体、そして長い手足。


「ああ、そうだけど・・ 君は・・?」


「僕は和泉太郎って言うんだ。僕と友達になってくれないかな?」


結構、前向きな性格だな。てか何で俺なんだ? こんな1人の俺に話しかけてくるとは中々の奴だな。


「その・・ なんで俺なのかな?」


「いや〜 なんか1人で寂しそうだったからね〜 話しかけてみたってわけだよ」


「は、はぁ〜?」


「それじゃあ、また後でね!」


「・・・・」


走り去ってしまった。なんかすごい奴だったなぁ。優しそうな顔してるのに中々大胆だったし。ちょっとビビってたよ。


「俺も帰るか」


だんだん暗くなってきた。そういえば山のもう少し下の方に露天風呂があるらしい。暇だし行ってみるか。


「はぁ〜 はぁ〜 この山ってこんなにキツかったっけ? はぁ〜」


登ったり降りたりの繰り返しで中々露天風呂につかない。そして体力のない俺にはすごくきつい。


「はぁ〜 やっと着いたか?」


歩いている間にようやく建物っぽい所に着いた。


「はぁ〜 よーし、やっと風呂に入れるぞ!」


風呂の脱衣所は結構広かった。しかもあまり人が来ていないようだな。俺は服を脱いでカゴの中に入れた。


「うっわぁー すっげぇな!」


風呂はとても広かった。しかも一つ一つ入れてあるお湯が違う。こんな風呂は初めてだな。


「あれ? 誰かいるのか?」


風呂の中に入ろうとすると、人影がお湯に映っていた。このシルエットは・・


「だ、だ、誰です⁉︎⁉︎⁉︎」


「え⁉︎ な、な、なんでここに⁉︎」


これはまずい。

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