第7話 災難続きの夜
俺は家に帰った後、すぐにあかりに呼び出された。何の用事だろう?嫌な予感しかしないが。あかりの部屋に入ると正座させられた。
「兄貴、何かあやまることないの?」
「???」
これは、怒って・・・いるのか?てかあやまることって言われても全く心当たりがないのだが。
「あかり、一体なんのことだ?」
「この写真」
あかりが見せてくれたのはネット上のある写真だ。あれ、この顔どこかで見たことあるなぁ。
「これ兄貴と一緒にいるのって誰?」
ま、まさか。よくよく見るとこれは今日のデートの写真じゃないか。くそ。美香のやつ、勝手に投稿しやがったな。
「これは・・・今日のデートの写真だ。となりにいるのは幼馴染の美香だ」
「ふーん」
俺は打ち明けることにした。隠し事をしても何もいいことはないからな。てか何であかりが怒るんだよ。
「もう兄貴のこと嫌いだ」
「ええーーーーーー」
突然の嫌い宣言。これは夢かと思った。
「何でそうなるんだよ」
「兄貴は私のパートナーって言ったよね。だから他の女の子とイチャイチャする」の禁止!」
「いや、でもそれは小説家としてだろう」
「と、とにかくイチャイチャ禁止よ。わかった?」
「・・・はい」
これで俺の青春の幕が閉じたな。高校生なんだ。ちょっと位いいだろう。
「それで、遊園地で何したの?」
「別に、遊んだだけだよ」
「まさか・・・キスまでしてないよね」
「・・・」
「まさか、したの?」
「いや、してないはずだ」
「本当に?」
「本当だ」
「じゃあいいわ」
ふぅぅー。よかった。いや多分していないはずなんだが。
「あと、それと・・・」
なんだ。まだあるのか。これまた嫌な予感だ。
「明日、一緒に小説考えましょ」
マジか。やったぞ。俺はあかりと小説を書くのを楽しみにしていたんだ。しかも明日は学校の創立記念日。一日中あかりといれる。別に変な意味じゃないからな。
「じゃあ、また明日部屋に来てね、おやすみ」
もう寝るのか。まだ6時半だぞ。まぁいいか。これで明日がすごく楽しみだ。しかもあかりの小説家の腕は確かだからな。
すると、いきなりインターホンが鳴った。
「快斗いる?」
この声には聞き覚えがあるぞ。ついさっき聞いたような・・・
「今行くから」
ドアを開けると美香が大きなカバンを持って立っていた。
「何の用だ?」
「今日家に親がいなくて鍵も開いてなかったの。泊めてもらえない?」
「・・・・・」
一難去ってまた一難。さっきあかりに注意されたばかりなんだぞ。
「悪いが他を当たっ・・」
「快斗~ お・ね・が・い」
「・・・・・」
だからその笑顔をやめてくれよ。それじゃあ断れねぇじゃねえか。
「仕方ない。とりあえず入れ」
「やった~~」
気楽なもんだ。俺はあかりに殺されるかもしれないのに。まぁバレなければ大丈夫だろう。俺はとりあえずご飯を作ることにした。そのとき、
「兄貴ー 今の声誰?」
妹がリビングに降りてきた。
「あ」
「あ」
「あ」
はぁぁ~~。もはや最悪の状況だろ。これは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます