第42話 地球外生命体談義 その②
042.
『随分と回り道過ぎる質問だったのではないか』と反省する
「何をもって『宇宙人』と定義するかに寄りますね。まずはそこを突き詰めて考えてみないといけませんね」
「それはまた今度にすることにして――さて、それはどういうこと?
危うく脱線するところだった話をなんとか軌道修正をしたのは
「
「ち、地球外生命体対策局?」
卯月と小春のふたりは、言葉を繰り返した。
「それ以上は何とも言っていなかったわ。だけど、もし、この言葉が本当だとして、そんな当局があるとして、宇宙人なんてものがいるとして――そうなると、あの病院での、宇井添石の動きはそれに準ずるものだったってことにならない?」
「あの病院に、宇宙人なんてものがいたって言いたいの?」
小春の問いかけに、響木は頷いた。
「宇宙人の『討伐』か『捕獲』か……そのどちらが目的かわからないけど、もし、その目的で茄子原って人と宇井添石が『ぶつかった』のだとすれば、
あらゆる前提条件がある。
『地球外生命体対策局』なんてものが『存在する』という前提。
『宇宙人』なんてものが『存在する』という前提。
この両方を『真実』であるとした場合の話である。
「いいえ、寧々ちゃん。それじゃあ噛み合わない」
小春が言う。
「
「ちょっと待ってよ、小春。それじゃあ、あなたは――茄子原綾は宇宙人を回収して逃げ切ったって言いたいの?」
「そういうこと」
「いくら何でも、宇宙人なんて……、そんな大きいものは……」
「私もそう思っていた。でも、さっき卯月くんが言ったじゃない。宇宙人の定義がどうこうって。あれで閃いたのよ。別に宇宙人って人型に限らないんじゃないかって」
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