「Flowers」

明日は曾祖母の命日

買い物に行ってオレンジ色のチューリップを見ながら

そんなことを思い出した

両親に反抗していたあの頃には もう

しろがねさんと付き合っていた

彼と午後中ずっと喫茶店でお茶を飲んで 話して

曾祖母の臨終には間に合わなかった

(当時 携帯電話なんてなかったし)

数えで90歳

桃の花が咲く季節になると思い出すこと


その花の隣りに白百合

芳香をはなつ純白の花

凛と真っ直ぐに咲く大輪の花

百合の花と重なるイメージはラシス

私の中の百合は彼女とイコール

ただバーンのそばにいて

彼のことを理解してくれた彼女

彼女が好きだった「カルペ・ディエム」という言葉

「わたしはわたしよ。変わらないわ。」という台詞

死してなお 彼のそばに居続けた


数年ぶりに

珍しく

月齢4.1の月を見上げながら彼女の心境になっていた

彼女が貫いたものを いま私は持っているのだろうか

最後の最期まで貫いたもの…


短くてもいいから小説を書きたくなっている

「黄金のオラクル」シリーズの話を書きたくなっている

たとえ それが現実逃避でもいいから

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