「Sky-high」

南の空には墨色の重たい雨雲

北の空には抜けるような青空

風に流されてゆく雲の切れ間から見える澄みきった空

積雲もあり 層雲もあり 非常に立体感のある空

そんな空を見上げていた

水色から空色へ 空色から瑠璃色へ

不思議なほど静かで色鮮やかなグラデーション

こんなにきれいな色の変化を言葉では形容できない

こんなにきれいな色をした空を言葉では形容できない

まるで地球を宇宙空間から見下ろしているような

そんな感覚

陸地がなく青い海と空だけを見下ろしているような

そんな感覚

その青に吸い込まれてしまいそう…


空に羽を広げる1羽の鳶の姿を見て我に返った

意識が飛んでいたのだろうか

自分がいる場所が「地上」であるとようやく認識した

意識が朦朧とするのは あと数日で新月を迎えるから

自分の身体なのに自分じゃない

自分の気持ちなのに自分じゃない

どこかズレている


でも この空はこのままいつまででも見ていたいと

そう願ってしまう空だった

随分 空気も澄みきった上に天も高くなったなぁ


ああ そういえば

ちょうど 去年の今頃だったかな

「天空の女神」を書いていたのは

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