募血お願いします〜夜に俺の家にやってきた吸血鬼のお話〜

作者 千石京二

90

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★★★ Excellent!!!

一人暮らしの青年と、眉目秀麗な吸血鬼との、出会いと別れの物語。
本当に、本っ当にただ出会って別れるだけの、でも壮大な悲劇です。
誰も悪くない、むしろ目一杯の善意や思いやりに溢れた物語なのに、誰ひとり報われることのない結末。青年は心に深い傷を負い、吸血鬼の危機は解消されないまま。一体なにを恨めばいいのか、いや恨まれるべきものなどどこにも存在しない、優しい世界であるが故に浮き立つこの行き場のない悲しみ。
物語が始まらない、という悲劇。というか、悲しい喜劇。いうなら『死ぬほど丁寧に書かれた壮大な肩透かし』です。
笑いました。なんでしょう、このなんとも言えない脱力感。
終盤、オチを確定させた後の処置というか、あの辺りの雰囲気の醸し方が最高でした。例の単語が出た時点でうっすら予想していたはずなのに、でもまさかこんなに悲しい光景が待ち受けているなんて。
結びの部分、なんとなくいい話風にまとめるところも好きです。強く生きる姿勢というか、もう無理矢理前を向いていく感じ。いやお前いま最大のチャンスを逃した直後なのでは? だって実質もう惚れてるよねこれ? という、その辺も含めて(含めずとも)、いろいろ虚無感の漂う結末でした。

★★★ Excellent!!!

ドアの前にいる具合が悪そうな人に声をかけたら、その人は自分が吸血鬼だといい始めた…。
主人公はどんな不審者を不憫に思って家に招き、彼の話を聞いていきます。
軽快なやりとりとどことなくほっこりしてしまう雰囲気で「吸血鬼」というカテゴリーされている作品とは一風変わった読み口でした。
オチがすごく好きなのでぜひ最後まで読んでほしいです。

★★★ Excellent!!!

 これすごいんですよ。
 きっちりと吸血鬼の異質さを最初の外見描写で掴んだ上で、そこから何が始まるのかと思ったら、何も始まらない。この何も始まらなさが、肩透かしの形ではなくしっかりと満足のいく、それでいて余韻のある終わりに繋がっているの割とマジックですよ。
 最初から最後まで、吸血鬼のギミックをしっかりと使った上で、吸血鬼だからこそ何も起こらない。これはキャラクター設定とそれを読んでいる間に納得させる手腕があるからできるんですね。
 とても上手い作品でした。

★★★ Excellent!!!

主人公が家に到着すると美しい姿の男がいた。
そして、その男は主人公に「血を少し分けて欲しい」と頼みごとをしてきた。

自分は吸血鬼だとなのる男と主人公の何とも可笑しなやりとり。

ついついツッコミを入れたくなる吸血鬼の言動は必見!

そして、ラストに明かされる主人公の秘密とは?

是非、ご覧ください!