プロローグ

        【2】


 頭の中がくらくらする。


 緊張のせいか吐き気までしてしまっている。



 何も考えられない。



 真っ白に染め上げられた、これから先の自分の未来。


 明日がどんな日になるのか、いや、それ以前に自分に明日なんてものが本当にあるのか。それすらも分からない。


 ただあるのは、目に映し出されているこの瞬間。現在進行形の、一瞬の繋がり。


 今という、現実。


 それ以外は、何も見えない。


(どうしよう……)


 身体が震え、うまく力が入らない。今にも座り込んでしまいそうなのに、それくらいに足の力も抜けているのに、なぜ自分は立っていられるのか。

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