白い息

白い息が

目の前を短い間

漂い

消える

まるで命が失われるように

儚く

大気に溶けていく


真夏

強い日差しの中

高い気温の中で

いつか

必死に遊んでいた

誰かの服の背中が

色を変えている

少し経つと

かすかに白い模様が

浮かんだ


命を示すものは

意外に多い

人間が生きてることは

些細なものに

凝縮され

視界の端に

それがある


誰もが呼吸して

汗をかいて

疲れたり

満腹になったり

泣いたり怒ったりして

生きている


きっと僕が

生きている証明の

白い息は

やっぱり

刹那的な命を暗示してか

一秒もかからずに

消えてしまった

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