距離が消えていく社会

顔を知らない人

声を知らない人が

すぐそばにいる

文字をやりとりして

それだけで

誰よりも分かり合えるような

そんな気がするのは

何故だろう?


誰かが

ネットという存在の

その巨大さを口にして

気づけばそれが

実感を伴って

僕の世界にある


どちらが広い?

未知の部分が大半の

現実の世界と

未知の部分ばかりの

ネットの世界

この二つが

お互いを飲み込みあって

僕が立っている場所は

どちらとも

つかない


どこにでも行けるは

どこにもいない


なんでも知ることができるは

何が真実か

迷うばかりで

答えに辿り着けない


すぐそこにいる

文字だけの誰かは

確かに生きている

生きてはいるけど

姿はない


でも何故か

温かいものを

感じるのだ

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