影の中

どれだけ

文章を投げ込んでも

まるで光の下に

届かないように

全ての言葉が

影の中に

消えてしまう


自分さえも

影の中にいるようで

これでは

僕自身が

影そのものみたいに

想像してしまう


自然の世界のどこにもある

都会のどこにもある

真っ黒い影

何かの陰に

僕は立っている

誰にも気づかれないまま

そこから何かを訴える

僕の声は

大きな声ではないんだろう

きっと

ブツブツと

呟いているようなもので

喧騒に

あっさりと紛れて

そのまま踏み散らされて

それで終わり


影の中から出たいのに

光が当たれば

僕自身が影になっていて

もろともに消えてしまう

そう感じながら

まるで影に寄り添うように

じっとそこで

まだ

声を発し続けている

誰にも届かない

声を

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