魚たちの眠り

魚がどうやって眠るのか

人間のように

横たわることが

できるのか

目を閉じることが

意識を失うことが

無防備になることが

できるのか


人間は

非力なはずなのに

安全を手に入れた

道具で

知恵で

安眠を安眠として

手に入れた


海のどこかで

川の底のどこかで

魚は夜を

どう過ごすのか

そっと流れの弱いところで

休むのだろうか

その休息は

きっとひどく

緊張するだろう

どこかで何かが見張っている

狙われていると

魚は考えるだろうから


そんな魚の

休まらない眠りに比べれば

悪夢にうなされる

僕の夜など

優しいものだ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る