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目次
大声
小さな声で喋るのが好きだ
ボソボソと
漏らすように喋るのが
自然に身についている
どんな場面でも
強く言い返すことが
どこか間違っている気がして
淡々とした人間だと
勝手に自分を認識していた
ある瞬間
心が怒りと熱で
いっぱいになって
まるでタガが外れたように
言葉が
叫びが
口から出ていた
どこかの舞台で
誰かが泣き叫んでも
それはそういう演技
現実には存在しない
作り物の姿だと
勝手に決めつけていた
あの瞬間
大声を上げた時の僕は
舞台上の誰かと
全く変わらなかった
僕もまた
舞台の上の人間なのか
それとも
舞台の上の光景が
現実の本当の姿の
鏡写しだったのか
僕の怒りが
そのまま形になった叫びは
僕自身に
全く馴染まない
まるで別人の
叫びだった
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