人が消えた街

古い建物が並ぶ

少しだけまともな通りに

人の姿はない

店はシャッターを下ろし

花壇だった場所には

名も知らぬ草が

どこか寂しげに

しかし誇らしげに

茂っている


時間を遡れば

三十年

四十年

五十年前には

通りを人が行き交い

店からは活気が発散され

景色も

空気さえも

明るかったことだろう


あの人たちは

どこへ行ってしまったのか

どこで生活しているのだろう?

もう

この世界には

いないのか

それとも

ここではないどこかで

ふとした時に

遠い場所の

過去の賑わいを

懐かしく思ったり

するのだろうか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る