言葉という道具

自分を伝える

自分を定義する

心を縁取り

感情を紐解き

人間を描く

全て

言葉という道具で

形にしてみせよう


幼い頃に

頭に刻まれた言葉が

時間とともに

枝分かれし

一部は削り取られ

一部は研ぎ澄まされ

いっぱいに広がり

宙に浮いた


知らない言葉が

まだたくさんある

そのはずなのに

私は僕に形を与え

僕は私に光を投げかける

影が生まれて

背景との

わずかな濃淡の違いだけでも

人は人を

判別する


言葉は光でも闇でもなく

輪郭にしかならない

光を当てるのも

闇を切り取るのも

言葉を聞いたものに

任される


言葉を投げかけ

僕も

私も

反応をジッと

眺めるしかない

そして

また言葉を重ねるしか

ないのだ

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