素晴らしく下らない人生

明るい未来とか

幸福とか

充実とか

そんなものは

結局

少しもやってこなかった

いくら待っても無駄だと察して

人生を投げ出した


歌にあるような

物語にあるような

演劇にあるような

もしくは

見知らぬ他人が語る

テレビの中の

僕には理解不能な

再現ドラマにあるような

お約束の

決まりきった

幸福も幸運も

僕の人生にはない

成功は影も形もない


常に何かに飢えていて

常に何かを求めている

そうやって

この素晴らしく下らない人生を

生きてきた


希望?

そんなものは

きっとどこかの野良犬が

くわえて持ち逃げしたんだろう

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