日陰
日陰はどこか
好きになれない
どんな日陰にも
何か
ひっそりと気配があって
そこに立ち入るのを
拒絶はしないでも
無言のまま
姿もないままで
こちらをじっと
眺めている
日陰でも草が小さな茎を伸ばし
控えめに葉が広がる
花はまだ咲いていない
これからだろう
小さな蕾が
かすかな風に
頼りなく揺れていた
その様子に
曲がりなりにも
光の中にいる僕は
もっと堂々と
背筋をそらして
胸を張るべきだと
不意に気付かされた
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