形だけの救い

あなたを助けます

そんなそぶりに従って

他人の手にすがっていた

でも実際には

救うつもりなんて少しもなくて

そこにあるのは打算だった


他人を救って生きていけるわけがない

そんな聖人がいるわけもない

そんなことは

自明の理だった

なのになんで

そんなことも見抜けなかったのか


僕の弱さが

形だけの救いを

無視できなかった

助けて欲しかった

救って欲しかった


そんなところへ

都合のいい相手が現れるなんて

そんな事態が

起こるわけもない


救いを求めて

裏切られた後の世界には

もう救いは影も形も見えなかった

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