砂場

小高い丘

配置された石

如雨露から溢れるほどの水


今だ、と注ぎ込まれ始める水

ささやかな濁流が

砂の山のてっぺんから

一筋になって流れていく


それだけのことに

じっと息を詰め

目を見張って

歓声を上げた頃が

確かに自分にもあった


もうあんな単純なことには

何も感じない

成長という名の心の鈍感さが

どこか恥ずかしく感じるのは

何故だろう


少年たちが声を上げ喜ぶように

同じように声を張り上げ

ジタバタと喜べないのは

何故なのか

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