呼吸を止めても

覚悟を決めて

何かに飛び込んでも

沈みきる前に

体は自然と上を目指している

楽な方へ

安全な方へ

流されていく


呼吸を止めることはできても

止め続けることはできない

意志は本能に勝てなくて

でも勝ちたいと思っても

それで手に入る勝利は

あまりに引き換えにするものが

大きすぎて


それでもきっと

その一線を越えることでのみ

手に入るものがあるのは

わかっている気がする

わかっていても

できない自分が惨めで

でもどこか

安心する


求めていない

愚かしい

臆病者の

安堵

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