第341話 死者蘇生

 俺は皆に告げた


「今から彼女の体を切り刻む事になる。大丈夫だ。彼女が綺麗な体デ生きている幻影を見たんだ。俺の幻影は外れた事がないんだ。何をやってでも必ず彼女をちゃんとした姿に変えてやるから俺を信じろ」


 そうやって彼女の左腕を再現する前にライトソードを出した。皆固唾を飲んでいる。俺は腕を再生した途端に腕を切り落としたが間に合わなかった。切り落とした腕も鱗化したのだ。駄目だ次と言って左足を再建するがこれもダメだった。くそっと唸りながら右足を再現した途端に足首を切り落としたのだが、そこの部分が綺麗な状態で残った。


 俺はつい小躍りした。これで行けると。そして肉体再生をこの足首に対して行う。かなりの魔力を持って行かれたが、それでも本来のあるべき姿の彼女の肉体が再生され、そこにはちゃんと再生された見事な裸体が有った。


 俺はガン見するのすら忘れ、直に毛布を取り彼女の予備の体を毛布で包んだ。何故かそうしないといけない気がしたのだ。とりあえず体が作れた。念の為に再生した体をもう一度斬り、再生と予備の体をもう一体作り収納に入れた。勿論皆で予備の体に服を着させてからだ。


 そう、今から彼女に一度死んで貰って、よびの体に対して死者蘇生を行う。万が一失敗した時に備えて予備の体を作っておきたかったからだ。そして皆に告げた。


「よし。準備ができたから今から一度彼女には死んで貰い、今作った新しい体に対して死者蘇生を行う。彼女の命はあと一週間も持たないと言っていたよな?俺はこの世界で死者蘇生を行った事はないが、俺はできると確信している。だから一旦彼女には死んで貰うが、必ず生き返らせる。皆俺の事を信じてくれ」


 ヒナタが言う


「はい、ランスロット様を信じます。確かに私が見た幻影には今再生されたこの顔の女性を見ました。ここではないどこかでです。あの姿を見る限り、これからランスロット様が行おうとする事が成功すると思います。是非お願いします」


「分かった」


 一言返事をしたが、俺は彼女の名前を聞いてもいなかった。それは元気になった彼女の口から直接名前を聞きたかったからだ。なのでこの6名の女性の名前を敢えて聞かなかった。そうして寝ている彼女ね前に行ったのだ。


 ライトソードで彼女の首を撥ねた。ライトソードで斬ったものだから血が出ない。彼女の体はすぐには収納に入らなかった。そう首を撥ねたからといって直ぐに死ぬわけではないのだ。顔の状態から肉体再生を行ってもまともな体ができるとは思えなかったから、一旦この体には終わってもらおうと思ったのだ。そして5分程すると体が収納に入った。


「それではこれから死者蘇生を行う。俺はこれを行うと確実に気絶する。あとは任せる」


 そして彼女を俺の前に座らせ、心臓に近い左胸を直接触るべく服の中に手を突っ込み、胸をぎゅっと触りながら死者蘇生と唱えた。するとやはり一気に魔力が持って行かれ、意識が朦朧としてきた。そして彼女の蘇生を信じながらブラックアウトしたのであった。

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