第306話  平和だ

 街をいくつか過ぎた。街に着く度にセレナと待ち合わせをして、転移ポイントを共有していく。


 しかし争いとは無縁な所が多かった。


 数は多くはないが大きな街には兵士の駐屯所のような所が有った。

 盗賊や犯罪者の取締の警察機能がメインぽかったのだ。


 俺はどこを調べるか悩んだが、首都が何処かなんとなく分かってきたので、宏美と相談し、首都を目指す事にした。地図の文字が読めなかったからだ。


 街のいくつかを無視したが、ひたすら首都向かい、無事に首都に着いたが、規模はワーグナーよりも大きく、やはり防壁がない。


 城もなく、有るにはあったが、使われなくなったいわゆる古城で、城跡としての観光スポットだった。歴史の書籍を解析していた者からは500年以上戦争がないと記されていると言われた。


 よく分からないが初期評価では、平和な国で首長が居るのは城ではなく、政府の庁舎だった。

 いきなり忍び込むのもどうかと考えるが、一度皆と協議しなければなと探索だけにした。


 それと、ワーグナーに向かっていた船が出港した港に行く必要を感じ、港を目指す事にした。


 平和認定の為、翌日に一人で向かう事にした。


 今日は適当にこちらで食事をするが、店選びが悪かったのか、可もなく不可もなくと言った感じで期待はずれだ。


 書籍を扱っている店で歴史書と地図を買う。装丁は丁寧で質も良い。多分歴史書だ。


 印刷技術の違いがよく分かる。

 最初の街のより全体的に上等な物を扱っていたりする。


 調査隊もそれなりの数を投入する事にした。まずは行政の仕組みを把握する必要から、水樹やセレーシャ、メイベル、ルシテルを投入する。地球人は必須だった。


 商店で物を卸して現地通貨を確保したりして夜になる。遅くまで打ち合わせし、宿で過ごす。


 襲撃イベントもなく無事に朝を迎える。拍子抜けだ


 俺は皆に調査を託し、本命になりそうな港を目指す事にして、最寄りのポイントから一人で飛んで行った。


 最大スピードで飛んだものだから、周辺は騒ぎになった。

 音速を超えて飛んだものだから、爆音が響いていたからだった。一人またはオリヴィアとだと肉体的に強いから最大スピードが可能だった。


 そして1時間半位で海が見えたのであった。

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