第273話 シューマン山に

 シューマン山に向かうメンバーは厳選した。


 レニスは防衛の要としてセレナと行動を共にする。


 シューマン山に向かう主体はドラゴニュート達になる。


 突出して強い者はいないのだが、アリゾナに対して3人で掛かれば互角になる。

 そういう強さだ。


 宏美を連れていく事にした。


 ゲートで麓に行き、そこでまずは周辺探査だ。


 特に何もなく、宏美がかつて過ごして家を確認するも明智君の荷物が少しある位だ。


 彼には寝泊まりの場所として使わせていた。


 特に手掛かりもなく俺が宏美と飛んで行き、魔物が出始めた辺り、つまり、魔物の領域に入ったタイミングで先ずは探索班を呼び寄せた。


 次のポイントに俺が向かう間に周辺の魔物を駆除と魔王や明智君の手掛かりを探して貰っていた。


 実は大陸の7割が魔物の領域で、よく知られていないという。オリヴィアと宏美を交互に抱きつつ飛んでいる。かなり辛いらしいので交代で飛んでいるのだ。


 5回程、距離にして200km位進んで6回目のポイントへ飛んでいる時の調査にて、明智君の変わり果てた姿を見る事になった。


 辛うじて肉片があり、装備から判断した。

 死んでから20時間程経過したようだ。


 ひとますこの周辺を仮の拠点とし、防衛陣を生成させた。


 その間にシェルターを出し、死体や装備の状態から探ろうとしたが、特に見付からない。やはり彼に直接確認するのが良いとなり、体を修復した。今日はこれまでとし、周辺の魔物を駆除した後セレナを呼び寄せた。レニスセレナの護衛だ。アリゾナを残し、皆をゲートで皇帝宮に送り、明智君の蘇生を始めようとしていた。


 基本はゲートを出して死者蘇生を開始し、心臓が動きだしてから俺の意識がなくなる前に、アリゾナが俺と明智君を担ぎゲートに入り、セレナはテレポートする段取りになっている。


 準備が整ったのを確認し、俺はゲートを出して死者蘇生を開始した。


 いつもの如くで頭がかなり痛くなり、心臓が鼓動を開始し、アリゾナに担がれゲートから出た直後に意識を手放したのである。ちなみに彼のは残念だったので、多少逞しく修復をしてある。間違いなく感謝される修復内容だったのである。



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