第264話 魔王城攻撃開始

 俺は渡された簡易地図を元に街道に沿って飛んでいる。


 道中旅人や商隊も見掛けない。やはり魔王の支配下の為に外を出歩けないのだろうか?


 途中途中に街に寄り、様子を見るが、支配しているのはごろつき共だ。

 盗賊が街を治めている感じで、見回りの者もがらが悪い奴らで、好き放題している無法地帯と化していた。


 則ち、魔王を討伐するだけでは駄目で、この国の傷がかなり深いのが分かった。

 領主等は既に殺されているのであろうと感じだのだ。


 ただ、今はまず魔王を撃破するのが最優先で、街を一つ一つ解放している場合ではなかった。


 可哀想だが、致し方がない。心を鬼にして先に向かうのである。


 そして昼頃には第一目標の街に着いた。

 この街から高い山を越えた先に魔王城があるというのだ。


 そしてセレナに転移ポイントを記録させ、更に山へ探索に向かう。


 探すのに時間が掛かるかと思ったが、対して時間は掛からなかった。


 何故なら瘴気が立ち込めているエリアがあり、そこにそれっぽい建物が見え出したからだ。そして、認識阻害系をレジストしたので確定した。


 暫くすると城の、それも日本の城の姿が見え出したのだ。


 城の近くには魔物がうろうろしていて、滅びた城に待機しているセレナを都度呼んで転移させていた。


 隠密のおかげで城の内部に誰何されずに潜り込んでいて、転移ポイントを複数設定した。その後セレナにも設定させて行く。


 攻撃組が待機する所に行き、攻撃開始のタイミングを確認すると第一破は今からとなったが、遠目でまず見ておきたいとアリゾナがいうので、皆を連れていった。セレナは、ワーグナーに返した。


 アリゾナ、ホーネット、レニス、レーヴエン、オリヴィアのみとした。少数のみでの戦いにしたのだ。


 オリヴィア以外は元々戦闘センスが抜群だ。裕美やセレーシャは避けていた。


 改めて城を見ると、金の鯱が鎮座している。


 詳しくは無いが名護屋城じゃないか?と思った。勿論模造だ。名古屋城だったか?


 確かに内部はザッツ城だった。ドラマや子供の頃に、親戚の葬式で大阪に行った時に一度観光した時に見た、ああいう城だった。勿論城には詳しくない。


 城には認識阻害が掛けられていて、レジスト出来なければ、避けてしまう状態だった。


 その為か内部は警備がざるだった。


 遠目で見える位置から待避の為のゲートを出しつつ、城に特大のファイヤーボールと、上空に直径10mのアイスボールを展開し、まずは直径5mの禍々しいファイヤーボールを投げた。当たる直前に上空5000n程に出したアイスボールを、天守閣目指さして投射したのであった。

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