第239話 対峙
アリゾナ達と捜索を開始する事1時間、ようやく複数の気配を感じ取りそちらに移動中だ。オリヴィアのみ少し距離をおいて着いてきて貰う。
そこに居たのは背丈2m位で装甲服の様なのを着ている者達だ。人数は5人?匹?
少し開けた場所にいるようだが、俺達が茂みより出ると対峙する事になった。ただ、向こうはまだ気がついていない。
俺は隠密を一旦解除した。すると向こうの奴の服からアラームが鳴り、腕にある端末を操作し、辺りをキョロキョロしだした。
いきなり肩に装着されている長さ30cm、直径5cm位の砲塔から熱エネルギーと思われるのが飛んできた。
アリゾナと裕美を押して逃したが、俺は右肩に当たり、肩より先が持っていかれて一瞬で傷口が焼けただれた。急ぎヒールと欠損修復を行い、まずはそいつの後ろに転移しライトソードで首を刎ね飛ばした。すると残りが腕の端末を操作すると姿が消えた。しかし姿は見えなくても気配がする。俺の後ろに回り込もうとする者、距離を取る者各々何かの行動を取る。
距離を置く者がやばいと感じ気配のする所に転移し、ライトソードを振る。そうすると何かを切断した。どうやら先程から操作をしている端末の装着された腕で、切断するとそいつの姿が見えるようになった。
一気に斬りかかるがやはり熱線が迫ってきた。
咄嗟にそいつの後ろに転移し、そいつを盾にした。胸元に風穴が開きそいつは絶命した。
俺は再び隠密を使う。とりあえず腕と体を収納する。
そして熱線が飛んできた方にアイスアローをしこたま打ち込むとそいつの姿が見えた。間髪入れずアリゾナが剣を一閃し胴を薙いで倒した。
これで残り3匹だ。
アリゾナがターゲットになった為に、ゲートでこちらに引き寄せたが、先程までアリゾナの体があった所を熱線が飛んでいった。俺はアリゾナに熱線を放った奴の真上に転移し、脳天に一撃を喰らわせ倒した。収納に死体を入れつつもう一匹の後ろに回り首を刎ねる。
その時は裕美に念話を送りもう一匹の対処をお願いしており、同時に攻めたが、裕美の剣は通じず受け流された。そして反撃を貰い吹き飛ばされた。
裕美は重力操作を行っており、何とかそいつをその場に釘付けにした為に藻掻いている。そして俺は転移し首を刎ねた。首を刎ねる前にそいつは何か操作をしていたが腕の端末のディスプレイに何かが表示されている。おそらく数字?が定期的に変わっているのが分かったか。ヤバそうなので一旦収納に入れた。死体を全て収納に入れ、その場を引き上げようとした。
そいつらの見た目はリザードマンに似ているが、よく分からない。何せバイオスーツ?の様なのを着ていて顔がヘルメットで覆われていたからだ。
さっきのディスプレイは恐らくカウントダウンだ。SF映画でよくある自爆で、そのカウントダウンと推測した。やばいと直感が告げたからだ。
そうしているといつの間にか囲まれたのがわかった。距離は50m位から包囲を縮めている。今日はこれまでと思い、途中の恐らく50km程離れた街にゲートを出し、置き土産でカウントダウン中と思われる奴の死体だけを置いて退避した。
そうしていると1分位で閃光ときのこ雲が立ち昇っているのが分かった。そして暫くすると振動が伝わってきた。
あのカウントダウンした奴の爆発だと思った。まるで映画の話だと項垂れていた。
何故ならきのこ雲の大きさから街の一つは十分に吹き飛ばす威力があると確信したからだ。
今一度更に50km程離れた所に転移し、一旦セレナを呼んで来て、今いる場所を覚えて貰い、先程の事を説明し送り返した。
死体を出し検分を始めるからだ。発振器等がある場合、ワーグナー等の位置がバレるのでそれは止めたのだ。
バイオスーツを脱がしにかかる。
中には二足歩行の生物が入っており、醜い蜘蛛の様な顔付きで、ドレッドヘアーだった。
端末は地球のより遥かに文明の進んだ物で、武器も何となく分かった。先程熱線を放った武器を持っているのが3匹で1匹は持っていなかった。その代わり体にいくつか武器を装着していた。
そして一際気になる刀を持っていた。そして間もなくそいつの端末からなにか音声がでていた
「マスター死亡により新たなマスターを指定しますか?指定する場合は左を、自爆する場合は右を押すように。押されなかった場合高燃焼モードで当マスターを滅却します10,9、8」
と出てくるのでディスプレイに出ている左のボタンをタッチする。
「畏まりました。それでは新たなマスターを設定しますので血を一滴垂らして下さい」
と端末の所が一部開いた。ここに垂らすのかと思い垂らすと
「新たなマスターを設定しました。続いて刀剣のマスターを設定します。新たなマスターとなる者は10秒以内にグリップを握ってください。握らない場合当端末のマスターに権利を移譲します。10、9,8・・・」
と聞こえたので裕美に握らすと
「刀剣のマスターを設定しました」
とだけ聞こえた。
アリゾナに聞くと何を言っているのか理解できなかったと。裕美は理解できたようだ。
画面表示は不明だが、音声ガイダンスは恐らく召喚者に備わっている翻訳機能が役に立ったのだろう。
裕美に剣を握らせ、適当に出したミスリルの武器を切断するようにして貰うと鈍く薄っすら赤く刀身が輝き、さくっとミスリルを切断した。試しにライトソードと打ち合うと打ち合えた。
またアンタレスと打ち合うとやはり打ち合えた。
ユーザー認証式の振動ブレーカーといった所か。文明レベルの違いに戦慄を覚える
裕美に「なんか凄いねこれ。怪しく赤い光を放つし。いいわねこれ。愛剣にするわね。そうねえ赤光丸にしよっと」
裕美は絶望的にネーミングセンスがなかった。俺は敢えて突っ込むのを止めた。
そして一度俺だけ先の爆心地を確認する事にし、一旦二人をワーグナーに戻して、単独で調査しに向かうのであった。
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