人格形成
すると、すぐに様々なことが分かってきました。
彼女の実の両親は、あまり親しくない方には<普通の人>と思われつつも、共に、かつてストーカーまがいの行為に及んでいた時期があったのだそうです。事件にまでは至らなかったものの(当時はまだストーカーに対する認識が甘かったというのもあったのでしょうが)、当時を知る方々に、十数年、二十数年を経ても強く印象に残っているくらいにはしつこいものだったようですね。
そんな両親の気質が彼女に受け継がれているのであろうことは想像に難くありません。
特に母親については、彼女が保育園に通っていた頃から、今で言う<モンスターペアレント>として、要注意の対象だったということも分かってきました。
なにしろ、
『朝はゆっくりと寝ていたいので始業時間を遅らせてほしい』
『遠足の目的地が気に入らないので変更して欲しい』
『体操服のゼッケンは必ず付けないといけないのだから学校側が支給するべき』
『義務教育の給食費を保護者が負担するのはおかしい』
等々の理由で保育園や学校にクレームを入れ、聞き入れられないとなれば何時間も居座るという行為に及んだとのこと。
それらはまさに、館雀さんがイチコの家で見せた姿そのものだったでしょう。
彼女の原点がそこにあるという印象ですね。
その一方で、館雀さんの父親は家庭そのものには関心が薄かったようです。
自身は過去に数回、女性にストーカー的な行為に及んでいながらです。
興味があるうちは異様なまでの執着を見せつつも、関心が薄れれば容易く見限るという傾向もみられます。
そのため、館雀さんは父親と関りが希薄だったのでしょうか。その辺りが強い承認欲求を励起した可能性も考えられます。
これらの背景を見る限り、彼女の人格形成に両親が果たした役割は大変に大きいと考えざるを得ないのではないでしょうか。
加えて夫婦仲は年々悪化していき、互いに相手を罵り合う様子も窺われるようになり、二年前についに離婚、母親が館雀さんをひきとり、そして去年、再婚したそうです。しかし新しい父親との関係も、あまり上手くはいっていないようですね。
これらについても、私は自身のこれから参考にしなければと思います。私自身がこうならないために、将来、私が生むであろう子供が館雀さんのようにならないようにするために。
私は現在、個人を責めるためにこのようなことを調べているわけではありません。もちろん、私の大切な方々に危害を加えようとする相手には容赦しないという想いもありつつも、そうでない相手については直接関わるつもりもないのです。
そのようなことはただの自己満足に過ぎないでしょうから。
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