理念など

私は、


『地球の為に』


という言葉を信じていません。いえ、本気でそう思って活動してらっしゃる方々もいらっしゃるでしょうからそれを批判しているのではないのです。


ただ、私には響かないというだけで。


人間が地球の環境を守らなければいけないのは、そうしないと人間自身が滅びるからです。環境を破壊し、それを技術によって帳尻を合わせるというやり方は、おそらくいつか破綻するでしょう。それこそ地球以外の場所に逃げなければいけなくなるほどに。


しかしそれでいいのでしょうか? そんな自らの首を自ら絞めるようなことをしていて、それで本当に幸せなのでしょうか?


SFに出てくるような、スペースコロニーといった人工環境で、フィクションのように人間は生きていくことが実際にできるのでしょうか?


正直、その確証は私にはありません。


なぜなら、南極などの極限の環境下で多数の人が永続的に生活を続けられているという実例が無いからです。


極地で生活を営んでらっしゃる方々も確かにいらっしゃるでしょう。ですが、それは人類の大多数なのですか? そのような環境を厭い、住みやすいところへと出ていく方々も多いのではないですか?


スペースコロニーのような人工環境は、本当に人間にとって<快適>なのでしょうか?


清潔で安全で心地好い環境を本当に作り出すことができるのでしょうか?


そのようなものを作り出せるのであれば、それこそ人類すべてがこちらに移り住んだ方が、地球にとっても人間にとってもよいのではないですか?


そのようなことが可能であればの話ですが。


これが実現できないのであれば、やはり人間は地球の環境を人間にとって生存可能なそれに保ち生き続けることこそが現実的なのだと私は考えるのです。


ですから、地球の環境を守るのはあくまで『人間の為』であって、『地球の為』ではないと私は感じます。この実感にそぐわないからこそ、


『地球の為に』


というスローガンには違和感を覚えてしまうのでしょうね。


もっとも、実質的に人間にとって利になるのであれば、スローガンなど分かりやすくてその気になりやすいものでいいのでしょうが。


ですから私は、『地球の為に』と唱えてエコロジー活動をなさる方々を否定するつもりも、見下すつもりもないのです。


結果的に人間が幸せに生きていけるのであれば、理念などただの動機付けに過ぎませんし。


ただし、


『地球の為には人間を排除するべき』


といった極論に走る方については、私は強く抗議しますが。


それは、ヒロ坊くんや千早や、私の大切な方々の存在を否定するものですから。


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