『絵師にここまでさせる小説がどこにも出されずに終わるなんて許さない』

こんな事を言われるような小説を書いたことがあるか。
上手い下手はこの際どうでもいい。
「これだけのことを言わせるような小説を自分は書いた」と、胸を張って言えるだろうか。

創作はどこまでも突き詰められるし、どこでも手を抜ける。
ストイックになればいつまでも完成しない、妥協するラインは必要になる。
逆に早く読ませたいと思えば妥協ラインは大幅に下がる。
どこに設定するか、どこを優先させるかが問題になるだろう。
その中で、どれだけギリギリの選択をしてきたか。
それを問われたときに迷いなく答えられるだろうか。

あなたは、この問いにどう答える？
6500字読んでから自分に問いかけてみて欲しい。

全ての創作者へ届くべき文章であると思います。主人公のように僕も中学高校の時に貰った読書感想文コンクールでの表彰を切っ掛けに文章を書き始めました。最初は楽しくて書きたいから書いていたはずなのに気づくとPVの数やフォロー数、コメントや評価ばかり気にしていたように思います。
自分の書きたいものを描き始めようと思いました。
この1万文字に出会えた事に感謝を

あまりの作品の中身にレビュー文を書けない、と思いましたが、
これは、すごいです。

何かを作る人の持つ不安と自信の間の板挟み、その間で目を背けたくなること。
どこで自分を認めてあげられるのか。

そういった作品の内容もさながら、
構成も素晴らしい。
巧みに設定された主人公と、彼へメッセージを送る相手の二人の「語り」と「行動」が、パソコンという媒介をうまく使って実にうまく、見事な制限をかけて分配されているように思いました（作者さま、読み違いでないことを願います）。

短編ですし、上に書いた通り言語化が難しい。
既に星300ごえ、納得の一作です。

最後まで読んだとき、私の涙腺は崩壊しました。

創作者はもちろん、何かにくすぶっている人は読んでほしいです。

静かでありながら、軽やかな物語。
だけど、最後には胸に迫るものがある。

そんな物語です。

私もこの話を読み、頑張ろうと思えました。

嫉妬や挫折、そして羨望が入り混じった主人公とヒロインの関係がリアリティがあって心を動かされました。
主人公の屈折した気持ちが、ヒロインのとある事件によって変容し、創作と真摯に向き合って真っ直ぐに前に進んでいくという展開が清々しく、熱くて爽やかな読後感に包まれました。
主人公に自分を重ねて読む読者も大勢いると思います。これまでの来し方や、今のあり方を見つめ直す良いきっかけをいただきました。
私もこ… 続きを読む

創作することの本質に迫った物語です。
自分の才能を嘆くこともあれば、他人の才能を妬むこともあります。
どれほど限界まで頭を絞って生み出した作品でも、酷評されるのを嫌っていては一生評価されることもないでしょう。
全体的に明るいトーンで進むからこそ、随所随所で胸を突かれる気分でした。
それと同時に憧れも刺激されました。
交流のあるクリエイターにそこまで惚れ込まれるって、ある意味で創作者としてとても喜… 続きを読む

私たちは「才能」を過信しすぎているのかもしれません。一方で、「成功」も過信しすぎているのかもしれません。
ひょっとしたら人の「判断基準」も。
この作品は、柔らかく暖かい筆致ながらも、それを鋭く突いてくる話でした。

成功するためにまっすぐ道を歩み続ける「才能のある」彼女。「才能がない」と殻に閉じこもっていく彼。
判断基準が学力のように点数で評価されるものであるならば、彼女は、彼など気にも止めなか… 続きを読む

その蓋を開けるのは、ある意味では自殺なのではないか、と怯えながら。
それでも、踏み出すことでしかわからないことってあるんですよね。

手遅れになる前に、踏み出さねば。そう思いました。

　鳥肌立ちました。物語を読んでそうなったのは久しぶりかもしれません。

　一人称で紡がれる文章、登場人物は二人。会話文は現代ドラマらしいメールのやり取り。
　でも、ここで作者様のセンスが光ります。
　主人公が送るメールの内容はほとんど書かれていません。読み手は相手からの返信を見て、主人公がどのようなメッセージを送ったのか想像しなければなりません。そして、ここがこの作品の凄いところ。主人公の心情描… 続きを読む

ネット創作界隈ならではの話だと思いました。続ける限り、日夜値踏みされ、比較され、それでも前を向くしかない。この作品は泥臭い野菜のような味がします。